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イントレプレナー育成のコツ|社内起業家を輩出する手法と成功の判断基準
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新規事業を成功させる鍵は、特別なアイデア以上に「やり抜く人材」の育成にあります。
本記事では、イントレプレナー(社内起業家)を輩出するための具体的手法から、現場で必ず直面する「既存組織との摩擦」の解消法まで、実務者が明日から使える知識を網羅して解説します。
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目次
イントレプレナー育成とは?

イントレプレナーとは、企業に所属しながら起業家精神を持って新規事業を創出する「社内起業家」を指します。
市場環境の変化が激しい現代において、既存事業の延長線上ではない新しい収益の柱を作るためには、リスクを恐れずに挑戦する人材の確保が不可欠です。
経済産業省の資料リスキリングとは―DX時代の人材戦略と世界の潮流においても、リスキリングは単なる学び直しではなく、企業の価値創造を継続し、競争力を維持するための「不可欠な戦略」として位置づけられています。
既存事業の停滞を打破する社内起業家の役割
社内起業家は、硬直化した組織に新しい風を吹き込み、イノベーションを加速させる「変革のリーダー」としての役割を担います。単に新しいものを作るだけでなく、社内の技術や販路といった既存資産を新しい視点で組み合わせることで、ベンチャー企業には真似できないスピードで事業を成長させることが可能です。
【関連記事】イントレプレナーとは?企業からビジネスを創出する人材の特徴とメリットを解説
社内起業家育成の主な手法とスキル
イントレプレナーには、アイデアを形にする実行力と、組織を動かす調整力の両方が求められます。
イントレプレナーとアントレプレナーの比較
イントレプレナー(社内起業家)とアントレプレナー(独立起業家)は、どちらも「新しい価値を創造し、事業を立ち上げる」という点では共通していますが、「誰のリソースを使い、誰がリスクを負うか」という点において決定的な違いがあります。
| 比較項目 | イントレプレナー (社内起業家) | アントレプレナー (独立起業家) |
| 所属・立場 | 企業に所属する会社員 | 自ら独立した経営者(個人) |
| 資金調達 | 会社の予算・事業資金を活用 | 自己資金や出資(VC等)による調達 |
| リスクの所在 | 会社が負う(本人は給与が保証される) | 自己責任(失敗すれば個人資産に影響) |
| 意思決定の速度 | 社内承認プロセスが必要なため、やや遅い | 自身で即決できるため、非常に速い |
| 主な資産(アセット) | 会社のブランド、既存顧客、技術を活用 | ゼロから構築する必要がある |
| 主な障壁 | 社内政治、既存事業との利害調整 | 資金不足、社会的信用の欠如 |
| リターン(報酬) | 昇進、ボーナス、新規事業の責任者権限 | 事業売却益(キャピタルゲイン)、配当 |
育成に必要なスキルセットとマインドセット
育成において重視すべきは、論理的な思考力に加え、顧客に寄り添う「共感力」と、失敗を糧にする「レジリエンス(復元力)」です。
しかし、これらは精神論だけでは身につきません。市場調査、プロトタイプ開発、デジタルマーケティングなど、具体的な「武器」をリスキリングによって習得させる必要があります。
アイデア創出から事業検証までのプロセス
一般的なプロセスは下記の手順を踏みます。
- 課題の発見
- アイデアの言語化
- プロトタイプによる検証(MVP)
- ビジネスモデルの構築
各フェーズで「撤退基準」を明確にしておくことが、無駄な投資を避け、成功率を高めるためのポイントとなります。
イントレプレナーを輩出する組織環境の整備
人材だけを育てても、受け皿となる組織が不適切であれば、新規事業は根付きません。
失敗を許容する組織文化の醸成
失敗を「悪」とする減点方式の文化は、イントレプレナーの挑戦を妨げる最大の要因となります。挑戦したプロセスを正当に評価し、たとえ事業が撤退に終わっても、その経験を「資産」として次の事業や既存事業に還元できるような仕組み作りが求められます。
適切な評価制度とインセンティブ設計
新規事業は短期的な利益が出にくいため、既存事業と同じ賞与・評価基準を適用すると、挑戦者のモチベーションが著しく低下します。成果報酬だけでなく、事業の進捗(マイルストーンの達成)に応じた独自の評価軸や、失敗しても元の部署に戻れる「心理的安全性の確保」が必要です。
既存事業部門との社内調整と連携体制
新規事業が既存事業の顧客を奪う(カニバリゼーション)懸念がある場合、現場からの激しい抵抗が予想されます。これを防ぐためには、経営層が新規事業の意義を繰り返し発信し、既存部門から協力が得られた場合にその部門にもメリットがあるような協力体制を設計することが不可欠です。
研修で終わらせないための運用のコツ

実務の現場では、研修で学んだ知識が「現場の壁」に阻まれて活用されないことが多々あります。
伴走型メンタリングによる実務の形骸化防止
育成対象者が直面する「どう進めればいいか分からない」という不安を解消するには、社外の専門家や経験者による継続的なメンタリングが有効です。週に一度の進捗確認や壁打ちを行うことで、対象者が思考停止に陥るのを防ぎ、常に市場(顧客)に目を向けた行動を促すことができます。
投資判断基準の明確化とスモールスタートの仕組み
初期段階から数千万円の投資を求めるのではなく、数十万円単位で仮説検証を繰り返す「スモールスタート」をルール化してください。これにより、社内承認のハードルを下げると同時に、失敗した際のダメージを最小限に抑えながら、より多くの挑戦の機会を作ることが可能になります。
育成と事業化を直結させるプラットフォームの活用
育成プログラムで生まれたアイデアやチームを、そのまま事業化フェーズへ引き継ぐためのシステム基盤を整えましょう。情報の断絶を防ぎ、誰がどのようなスキルを持ち、どこまでプロジェクトが進んでいるかを可視化することで、組織全体で育成を支援する体制が整います。
自社に合う育成手法を見極める判断基準
全ての企業に共通の「正解」はありません。自社の状況に合わせた最適な手法を選びましょう。
| 判断基準項目 | 社内公募型(ボトムアップ) | 指名選抜型(トップダウン) | 外部連携型(オープンイノベーション) |
| 適した組織 | 多様な人材が揃っている組織 | 特定の重点分野が明確な組織 | 自社にない技術を求めている組織 |
| メリット | 参加者の熱量が高い | 経営戦略と合致しやすい | 開発スピードが速い |
| リスク | アイデアの質にバラつきが出る | 候補者のモチベーション管理 | 外部への技術流出、文化の衝突 |
育成手法選定のチェックリスト
- 経営層は「3〜5年は利益が出ない」ことを許容できているか
- 新規事業専用の予算枠(少額でも可)が確保されているか
- 育成対象者の既存業務を20%以上削減する調整が可能か
- 失敗時に「敗者」というレッテルを貼らない仕組みがあるか
- 社内に相談できるメンター役が存在するか
イントレプレナー育成の成功事例
株式会社リクルート(新規事業提案制度 Ring)

- 背景:創業以来、新しい価値を創造し続ける組織文化を維持する必要があった。
- 施策:全従業員が参加可能な新規事業提案制度「Ring」を運用。アイデア募集だけでなく、メンターによる支援や検証費用の支給をパッケージ化。
- 成果:「ゼクシィ」「スタディサプリ」など、社会に大きな影響を与える多数の事業を輩出し続けている。
サイバーエージェント(あした会議)

- 背景:スピード感のある事業展開と、若手への権限委譲を両立させたかった。
- 施策:役員と社員がチームを組み、新規事業や課題解決案を競い合う「あした会議」を定期開催。決まったその場で事業化と責任者を決定。
- 成果:多くの子会社が設立され、若手社員が経営経験を積むことで、イントレプレナーが次々と育つ循環を生んでいる。
イントレプレナー育成を加速するアクションプラン
明日から実行できる、組織を変えるための3つのステップです。
Step1:経営層のコミットメント確保
まずは「なぜ今、社内起業家が必要なのか」を経営陣と握りましょう。トップの覚悟がない限り、既存事業の壁を突破することはできません。
Step2:社内公募・選抜の仕組み作り
少人数でも良いので、まずは手を挙げる文化を作ります。アイデアの良し悪しよりも「その人がどれだけその課題を解決したいか」という熱量を重視して選抜してください。
Step3:事業化までのフェーズ別支援策の構築
「選んで終わり」ではなく、検証フェーズに合わせたリソース提供を計画します。特に専門知識(法務、IT、マーケティング)を持つ社員とマッチングさせる仕組みが、成功率を大きく左右します。
イントレプレナー 育成に関するよくある質問
Q. 社内起業家に向いている人の特徴は?
A. 既存のルールに対する「健全な怒り」を持ち、なおかつ社内の味方を作る「人たらし」の素養がある人です。
単にアイデアが斬新なだけの人材は、既存組織の拒絶反応に遭うとすぐに潰れてしまいます。困難に直面しても「顧客のためにこれが必要だ」と執着できる強さと、反対勢力を論破するのではなく「いつの間にか巻き込んでいる」ような政治力の両輪を持つ人材が、最終的に事業を形にします。Q. 既存業務と新規事業のバランスはどう調整すべき?
A. 「兼務」を前提とするなら、対象者の上司の評価項目に「部下の新規事業の進捗」を強制的に組み込むのが最も効果的です。
多くの現場では、本人がやる気でも直属の上司が「既存業務を優先しろ」とブレーキをかけます。これを防ぐには、週1.5日(20%〜30%)程度の「聖域時間」を経営名義で確保し、その時間内のアウトプットを上司の賞与査定に連動させるなどの構造的な調整が不可欠です。Q. 成果が出るまでにどのくらいの期間が必要?
A. 事業化の可否判断(Gate通過)までに1年、最小構成でのサービス開始(MVP)までに2年、単月黒字化までに3〜5年を標準スパンとして合意しておくべきです。 短期的なPL(損益)で評価すると、2年目の「産みの苦しみ」の時期に必ず予算カットの議論が起こります。あらかじめ経営層と「3年目までは黒字を求めず、検証した仮説の数と質を評価する」という非財務指標での握りを行っておくことが、育成を止めないコツです。
Q. 優秀な人材が社外へ流出(起業)するリスクは?
A. 流出を恐れて挑戦の機会を与えないことは、結果として「成長を望む優秀層」から順に辞めていく最悪の採用・定着リスクを招きます。 むしろ、社内で成功した際に「スピンアウト(分社化)」を認め、起業家にも資本(株式)を持たせるような出口戦略を提示すべきです。社外で独立されるよりも、グループ会社としてリレーションを維持する方が、長期的には企業価値に大きく貢献します。
Q. 予算が限られている場合の育成方法は?
A. 外部コンサルに丸投げして「正解」を買うのではなく、社内の余剰リソース(空きスペース、機材、専門スキルを持つ社員の空き時間)を徹底的に開放してください。
予算がないからこそ、既存事業のインフラを「実験場」として貸し出す仕組みを作るのです。例えば、エンジニア不足なら社内のIT部門とマッチングさせる、資材が必要なら廃棄予定の備品を活用させるなど、社内の「眠っている資産」を繋ぎ合わせるだけで、キャッシュを使わずに検証回数を劇的に増やせます。
挑戦者が「孤立」しない仕組みを組織のインフラに
イントレプレナー育成が失敗する最大の要因は、参加者が「やる気はあるが、やり方がわからない」という壁にぶつかり、既存業務の忙しさに飲み込まれてしまうことにあります。マインドセットを変えるだけでは不十分です。不確実な市場を切り拓くには、データ分析、顧客検証、収益モデルの設計といった「具体的で実戦的なスキル」の習得が不可欠です。
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