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要件定義におけるasisとtobeの徹底ガイド

要件定義におけるAsIsとToBeの徹底ガイド!フレームワークや業務フローを解説

2026年1月23日

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システム開発の成否を分けるのは「要件定義」です。しかし、現場では「顧客の要望がまとまらない」「開発後の手戻りが酷い」というトラブルが絶えません。

このリスクを回避する羅針盤が、As Is(アズイズ/現状)とTo Be(トゥービー/理想)です。本記事では、両概念の基本から、5W3H・WBS等のフレームワーク、業務フローへの落とし込み方まで徹底解説。手戻りを防ぎ、合意形成を円滑にする実務ノウハウを公開します。

要件定義とは

要件定義とは、システム開発プロジェクトの初期段階において、必要な機能や要件を明確にする作業を指します。この作業を行うことで、プロジェクトの目的や範囲が明らかになり、関係者間で共通の理解を持つことができます。

要件定義は、顧客のニーズを把握し、システムがどのように機能するべきかを具体的に示す重要な工程です。また、正確な要件定義ができると、開発後のトラブルを未然に防ぐことが可能となります。効果的な要件定義が、プロジェクトの成功に繋がるのです。

要件定義の重要性

要件定義の重要性は、システム開発プロジェクトの成功に直結する点にあります。
明確な要件が整っていない場合、開発チームは誤った方向に進む可能性が高く、結果的に顧客のニーズを満たさないシステムが出来上がってしまうこともあります。

さらに、要件定義がしっかりしていると、プロジェクトの進行管理が容易になり、スケジュールや予算の設定が正確に行えます。お互いの認識のズレを少なくするためにも、要件定義の段階でしっかりと確認し合うことが不可欠です。

要件と要求の違い

要件と要求は、システム開発においてしばしば混同されがちな用語ですが、それぞれ異なる意味を持っています。

要求とは、顧客やステークホルダーがシステムに対して持つ期待や希望のことを指します。これには具体的な機能や性能の要望が含まれることが多いです。一方、要件は、その要求を実現するために必要な具体的な条件や仕様のことを指します。

要するに、要求は「やりたいこと」であり、要件は「それを実現するための具体的な手段」と言えるでしょう。この違いを理解することが、効果的な要件定義の第一歩です。

AsIsとToBe(アズイズ・トゥービー)の基本概念

項目As Is(アズ・イズ)To Be(トゥー・ビー)
定義現状分析・今の姿あるべき姿・理想の姿
役割現在のシステムやプロセスが「どうなっているか」を可視化する。改善後のシステムやプロセスが「どうあるべきか」を定義する。
主な目的現状の課題やボトルネックを正確に特定するため。プロジェクトの最終目標と進むべき方向性を明確にするため。
要件定義での位置付け開発の「出発点」であり、土台となる。開発の「ゴール」であり、具体的な仕様の基準となる。
効果隠れた問題点が浮き彫りになり、改善の必要性が共通認識となる。ビジョンが具体化し、関係者間での合意形成がスムーズになる。

AsIsとToBeは、要件定義において欠かせない2つの概念です。

両者をしっかりと定義することで、プロジェクトのビジョンが具体化し、効果的なシステム開発が可能になります。

AsIs(現状)の定義

AsIs(現状)は、現在のシステムやプロセスの状況を詳細に把握することを指します。これにより、具体的な課題や改善点を明確にすることができます。

現状分析には、ユーザーからのヒアリングやデータの収集、プロセスの可視化など、さまざまな手法が用いられます。現段階の状況を正確に理解することで、将来の改善に向けた土台が築かれるのです。

AsIsの理解は、要件定義の出発点として重要であり、プロジェクトの成功に大きく寄与します。従って、丁寧な分析と整理が求められます。

ToBe(あるべき姿)の定義

ToBe(あるべき姿)は、プロジェクトの目指す未来の状態を定義します。この概念は、システムやプロセスがどのように機能すべきかを具体的に示すものであり、目標設定に不可欠です。

ToBeを明確にすることで、関係者全体が同じビジョンを持ち、プロジェクトの方向性が一致します。さらに、改善点や新しい機能の提案が具体化し、効率的な開発が実現可能となります。理想的な状況を描くことで、組織が求める成果をより的確に反映させることができるのです。

「asis」と「tobe」の具体的な違いや使い分けについては、As IsとTo Beの基本概念と活用方法をご覧ください。

As IsとTo Beのフレームワーク

As IsとTo Beのフレームワークは、要件定義において非常に有効です。まず、AsIsの分析から始めます。ここでは現状の業務プロセスやシステムの機能を洗い出し、どのような問題が存在するかを明確にします。

次に、ToBeの設計に移行します。理想とする業務プロセスやシステムの姿を描くことで、改善の方向性が見えてきます。このフレームワークを用いることで、現在と未来のギャップを把握し、具体的な要件を定義する助けになります。

5W3Hフレームワーク

5W3Hフレームワークは、要件定義において情報を整理するための強力なツールです。このフレームワークは、次の要素から構成されています。

「What(何を)」「Why(なぜ)」「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(誰が)」の5つのWと、「How(どのように)」「How much(いくらで)」の3つのHです。

これらをバランスよく考慮することで、システムの要件が洗練され、関係者全員が共通の理解を持てます。結果としてプロジェクトの円滑な進行が期待できるのです。

WBS(作業分解構造)

WBS(作業分解構造)は、プロジェクトの全体像を把握するための強力なツールです。プロジェクトの内容を小さな作業単位に分割することで、各タスクの把握と管理が容易になります。

WBSを用いることで、各作業の担当者や納期、必要なリソースも明確にすることができます。このように、WBSはAsIsとToBeのギャップを埋めるための具体的な行動計画を立てるために必須なマネジメント手法です。プロジェクトの進行をスムーズにするために、ぜひ活用したいですね。

要件定義のステップ

要件定義のステップ

要件定義のステップは、システム開発の初期段階で非常に重要です。
まず、初期の要件収集を行い、関係者の意見を広く集めることから始まります。次に、AsIsの分析を通じて現状の問題点を明らかにし、その後にToBeの理想的な姿を描きます。

この過程では、ユーザーのニーズや期待も考慮することが求められます。要件を明確に定義し、文書化することで、後のプロジェクト進行をスムーズに行えるようになります。また、定期的なレビューも忘れずに実施し、進捗に合わせて柔軟に対応することが重要です。

ステップ1: 現状分析(As Is)

ステップ1では、現状分析、つまりAsIsの理解が重要です。まずは現行の業務プロセスを詳細に把握し、どのような仕組みで運営されているのかを洗い出します。

次に、関係者にヒアリングを行い、実際の業務の流れや抱えている課題を明確にします。この段階で得た情報は、後の改善策を考えるうえでの基礎データとなります。

AsIsの分析を徹底することで、正確な現状把握ができ、より効果的なToBeの設定につながります。このステップを軽視することなく、丁寧に進めていくことが成功の鍵です。

ステップ2: 問題点の抽出

ステップ2では、AsIsの分析を通じて現状の問題点を抽出します。まず、現在の業務プロセスやシステムの使用状況を詳細に把握することが重要です。

関係者とのヒアリングやアンケート調査を行い、課題となるポイントを洗い出します。この情報を基に、なぜその問題が発生しているのか、具体的な原因を追求します。

問題点を明確にすることで、プロジェクトの目的やToBeの方向性がより鮮明になり、その後の具体的な要件定義に役立てることができます。

ステップ3: 目標設定(To Be)

ステップ3では、目標設定、つまりToBeの明確化が重要なプロセスとなります。AsIs分析を通じて現在の課題が洗い出された後、その課題を解決するための理想的な状態を設定します。

ToBeの目標は具体的で現実的である必要があります。例えば、プロセスの効率化やユーザー満足度の向上など、測定可能な指標を用いると良いでしょう。

しっかりとした目標設定を行うことで、チーム全体が同じ方向に向かって進むことが可能となります。これにより、プロジェクトの成功確率が高まると言えます。

業務フローの作成方法

業務フローの作成は、システム化の対象範囲(スコープ)を明確にするために不可欠なプロセスです。単に図を描くだけでなく、以下の手順で「現状の歪み」と「理想の形」を対比させることが成功のポイントです。

①現場の実態を反映した「As-Isフロー」の作成

まずは現在の業務プロセスを徹底的に洗い出し、事実に基づいたAs-Isを可視化します。マニュアル上のルールではなく、現場へのヒアリングや実業務の観察を通じ、属人化している作業や例外処理まで詳細に収集します。この際、「誰が・どのタイミングで・どのシステムを使っているか」を明確にすることが、隠れた課題の特定に繋がります。

②フローチャート化と課題の構造化

収集した情報を基に、スイムレーン(担当者別の図解)を用いたフローチャートを作成します。一連のステップを視覚的に整理することで、「二重入力が発生している箇所」や「承認待ちによる停滞」などのボトルネックが浮き彫りになります。図解することで、関係者全員が「どこに問題があるか」を直感的に理解できるようになります。

③レビューと「To-Beフロー」への昇華

作成したAs-Isフローを関係者でレビューし、認識のズレを修正します。可視化された現状を俯瞰することで、「この作業は自動化できる」「この工程は廃止すべき」といった具体的な改善案が生まれ、ToBe(あるべき姿)のビジョンを論理的に描くことが可能になります。

要件定義書作成のポイント

要件定義書の作成は、単なるドキュメント作りではなく、ステークホルダーとの「最終的な合意形成」の場です。

まずは綿密なコミュニケーションを通じて、顧客の潜在的なニーズや期待を徹底的に言語化し、プロジェクトのゴールを具体化します。 次に、As-Is(現状)とTo-Be(理想)を対比させ、改善点を明確に定義します。完成した定義書は、開発チームだけでなく、非エンジニアのステークホルダー全員が正しく理解できる平易かつ論理的な表現でまとめることが、プロジェクト完遂の条件となります。

要件定義書に必ず含めるべき「8つの必須項目」

漏れのない要件定義書を作成するために、以下の項目を標準構成として盛り込みましょう。

  1. プロジェクトの背景・目的:なぜこのシステムが必要なのか、解決すべき経営課題を明
    記。
  2. 現状分析(As-Is):現行業務のフローやシステム構成、顕在化している問題点。
  3. あるべき姿(To-Be):導入後に実現したい理想の状態と、具体的な改善案。
  4. 機能要件:ログイン、検索、データ登録など、システムが「すべきこと」。
  5. 非機能要件:セキュリティ、処理速度、同時接続数など、システムが「満たすべき品
    質」。
  6. ユーザー要件:利用者の属性や、操作性に求める条件。
  7. スケジュール・リソース:リリースまでの工程と、体制図。
  8. 制約条件・予算:技術的な制限や、コストの範囲。

要件定義書の構成サンプル

ドキュメントの透明性を高めるため、以下の流れで構成するのが一般的です。

章構成項目名具体的な記載内容・ポイント
表紙基本情報・改訂履歴プロジェクト名、バージョン(Ver.1.0等)、作成者、承認者、修正履歴。
第1章導入(プロジェクト概要)ステークホルダーリスト(関与者)、プロジェクト発足の背景、ビジネス上の目的。
第2章現状と目標(As-Is/To-Be)As-Is:現状の課題・ボトルネックの可視化
To-Be:理想の状態、達成すべき数値指標(例:作業時間30%削減)。
第3章システム要件機能要件:実装すべき機能一覧
非機能要件:処理速度、セキュリティ、可用性などの品質グレード。
第4章テスト・運用計画システムの検証方法(テスト方針)、リリース判定基準、稼働後の保守・運用体制。

具体的な数値指標やテストケースを含めることで、開発における透明性が確保され、より円滑なプロジェクト進行が期待できます。

失敗しない要件定義のコツ

要件定義を成功に導くためには、単なるドキュメント作成を超えた「合意形成」の技術が求められます。

  1. 徹底したコミュニケーションで「認識のズレ」を断つ
    関係者と密に連携し、表面上の言葉だけでなく、その背後にある真のニーズを汲み取ります。共通言語で話すことで、後々の大きな手戻りを未然に防ぎます。
  2. As-IsとTo-Beの解像度を極限まで高める
    現状の不満(As-Is)と理想の姿(To-Be)を論理的に対比させます。この整理が不十分だと、不要な機能が追加されたり、肝心な課題が放置されたりするリスクが生じます。
  3. ドキュメントを「生きた書類」として更新し続ける
    一度作って終わりではなく、プロジェクトの変化に合わせて柔軟に見直します。常に最新の状態を共有することが、スムーズな進行の鍵となります。

失敗事例とその教訓

典型的な失敗事例として、**「要件の勝手な解釈」**による破綻があります。顧客の真のニーズを深掘りせず、開発側が想像で仕様を固めてしまった結果、リリース直前で「求めていたものと違う」と指摘され、プロジェクトが大幅に遅延、予算も超過するケースです。


教訓:初期段階から定期的なミーティングを重ね、プロトタイプや図解を用いて「認識の不一致」を早期に発見することが不可欠です。情報の透明性を保ち、全員が同じゴールを見ている状態を維持しましょう。

成功する要件定義の7つのポイント

成功する要件定義には、いくつかのポイントがあります。

  1. ステークホルダーの巻き込み:現場担当から決裁者まで、適切なメンバーの意見を反映させているか。
  2. クリアなゴール設定:プロジェクトが達成すべきビジネス成果が定量的(数値的)か。
  3. 徹底的なAs-Is分析:現場の「例外処理」や「隠れた運用」まで把握できているか。
  4. To-Be像の具体化:理想の状態を誰もがイメージできるレベルまで図解できているか。
  5. 要求と要件の切り分け:「やりたいこと」と「実現手段」を混同していないか。
  6. 文書化と徹底レビュー:作成した定義書を関係者全員が読み合わせ、合意しているか。
  7. 変更管理フローの確立:要件の変更が発生した際のルールが事前に決まっているか。

要件定義を成功に導く鍵は、これらのポイントを常に意識し、関係者全員が納得感を持って進められる体制を整えることにあります。

要件定義におけるAsIsとToBeに関するよくある質問

Q1. As-Is(現状)の調査はどこまで細かく行うべきですか?

A. 「システム化の影響範囲」に絞り、特に「例外処理」を重点的に調べてください。 すべてを網羅しようとせず、トラブルの火種になりやすい現場独自のルールや手作業を優先して可視化するのが、手戻りを防ぐコツです。

Q2. To-Be(あるべき姿)が理想論すぎて現実味がないと言われたら?

A. 理想を「フェーズ分け」して、現実的なステップを提示しましょう。 一度に100点を目指すのではなく、「予算や納期内でどこまで実現するか」の優先順位を明確にすることで、関係者との合意形成がスムーズになります。

Q3. 現場が変化を嫌い、新しいToBeを受け入れてくれません。

A. 「改善のメリット」と「現状を続けた際のリスク」を数値で伝えましょう。 現状(As-Is)のままだと将来的にどれだけの損失が出るかを可視化することで、改善の必要性を客観的に理解してもらえます。

まとめ

要件定義において、AsIsとToBeの理解は非常に重要です。AsIsを明確にすることで、現状の課題や問題点を浮き彫りにしています。これに対し、ToBeを設定することで、理想のシステムやプロセスが見えてきます。

このように、AsIsとToBeを活用することで、プロジェクトの目的や方向性が明確になり、関係者間の合意形成が進みます。要件定義はプロジェクト成功の鍵となりますので、しっかりと取り組むことが大切です。

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