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新規事業におけるリスクマップの作り方と活用方法
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新規事業に不可欠なリスクマップの作り方と、組織を動かす活用方法を徹底解説。発生頻度と影響度による評価手順から、回避・低減・移転・保有の4大戦略まで網羅。リスクを可視化し、攻めの意思決定を加速させるためのガイドです。
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目次
リスクマップとは?

リスクマップとは、想定されるトラブルを発生頻度と影響度の2軸で整理し、優先順位を視覚化したマトリックス図のことです。
新規事業においてこのツールが重要な理由は、不確実な未来を管理可能な状態に置き換えることにあります。何が起きるかわからない不安を、どのリスクに備え、どのリスクを受け入れるかという具体的な戦略へと昇華させることで、攻めの意思決定を支えます。
【関連記事】:新規事業で直面する10の課題と解決策|失敗を防ぐ5つの手順とは
新規事業におけるリスクマップの作り方5ステップ
新規事業のスピードを落とさないよう、以下の5つの手順で効率的に作成を進めます。
ステップ1:全方位的なリスクの洗い出し
リスクの洗い出しとは、事業計画に潜む阻害要因を内部要因と外部要因の両面からリストアップする作業です。 単なる思いつきではなく、法規制の変更、競合の出現、システム障害、人材不足など、カテゴリーを分けて整理することで漏れを防ぎます。
ステップ2:客観的な評価基準(頻度・影響度)の策定
評価基準の策定とは、リスクが起きる可能性と、起きた際の損失額に明確な物差しを設けることです。 人による判断のブレをなくすため、影響度4は損害額500万円以上、発生頻度3は年に1回以上、といった具体的な数値を定義します。
ステップ3:マトリックスへのマッピング
マッピングとは、特定した各リスクを縦軸の影響度と横軸の発生頻度に基づいて、マトリックス図の上に配置する作業です。 これにより、右上のゾーンに位置する致命的なリスクがひと目で明らかになり、チーム全体で危機の共通認識を持つことができます。
ステップ4:優先順位に基づいた対応策の決定
対応策の決定とは、マッピングされた位置に応じて、具体的なアクションを割り当てることを指します。 すべてのリスクに対策を講じるのはコスト的に不可能です。右上のリスクには即座に予算を投じて予防策を講じ、左下のリスクは受容するといった、リソース配分の優先順位を確定させます。
ステップ5:変化に合わせたモニタリングと更新
モニタリングと更新とは、市場環境や事業フェーズの変化に合わせて、作成したマップを定期的に見直す運用プロセスです。 新規事業は状況が刻々と変わるため、四半期に一度はマッピングの位置が現状と乖離していないかを確認し、新たなリスクを追加します。
リスクマップの活用方法

リスクマップを作成した後は、以下の4つの戦略を用いて実務に落とし込みます。
回避(Avoid):リスクの源泉を絶つ
リスクの原因そのものを排除し、発生確率をゼロにする手法です。
- 具体例(SaaS事業)
海外展開を検討していたが、現地の法規制が極めて厳しく、コンプライアンス違反のリスクが致命的であると判断し、その国への参入を中止・延期する。 - 具体例(マッチング事業)
個人情報の取り扱いリスクを避けるため、自社で決済情報を保持せず、すべて外部の決済プラットフォーム(Stripe等)に委託し、自社サーバーに機密情報を置かない仕様に変更する。
低減(Mitigate):発生確率や損失を抑える
リスクが起きる可能性を下げるか、起きた際の被害を最小限に食い止める対策です。
- 具体例(シェアリングエコノミー)
利用者同士のトラブル(物損・騒音等)を防ぐため、本人確認を厳格化するシステムを導入し、さらに24時間のサポート窓口を設置して初期対応を迅速化する。 - 具体例(製造業スタートアップ)
部品の供給網(サプライチェーン)の途絶リスクに対し、特定の1社だけでなく、代替可能な複数の仕入れ先を確保しておくことで、生産停止の時間を短縮する。
移転(Transfer):第三者にリスクを転嫁する
自社だけで負いきれないリスクを、外部組織(保険会社やパートナー企業)に肩代わりさせる方法です。
- 具体例(ITサービス)
サイバー攻撃によるデータ漏洩リスクに備え、専門のサイバー保険に加入する。これにより、万が一の賠償金支払いや事故対応費用を保険金でカバーできるようにする。 - 具体例(配送事業)
自社で配送車両を保有・運用するリスク(交通事故や車両維持)を避けるため、配送業務そのものを専門の物流業者にアウトソーシングする。
保有(Accept):あえてリスクを受け入れる
対策コストが想定被害額を上回る場合や、発生確率が極めて低い場合に、あえて現状のまま受け入れる選択です。
- 具体例(EC事業)
配送過程でごく稀に発生する「外装箱の軽微な凹み」による返品リスク。厳重すぎる梱包はコストと環境負荷を高めるため、一定の発生率までは「想定内の損失」として予算に組み込み、過剰な対策は行わない。 - 具体例(サブスク事業)
サーバーの数分間の定期メンテナンスに伴う一時的なサービス停止。深夜帯のわずかな停止がビジネスに与える影響は軽微であるため、高額な完全無停止システムの構築は見送る。
リスクマップ運用で失敗しないための3つのポイント
作成したマップを形骸化させず、実務で機能させるための要点は以下の3点です。
①リスク=悪ではなく「管理対象」と再定義する
リスクマップ運用の最大の失敗は、リスクを出すことが「事業の否定」に繋がるとメンバーが感じ、小さな火種を隠してしまうことです。 新規事業においてリスクは、避けるべき敵ではなく、事業を成功させるためにコントロールすべき変数(パラメータ)であるというマインドセットをチームで共有します。「どんなリスクがあるか」を活発に議論できる文化こそが、マップの精度を支えます。
2. 他部門を巻き込んだクロスチェック
特定のプロジェクトチーム内だけで評価を行うと、専門外の領域において重大な死角が生じるリスクが高まります。 法規制に詳しい法務、資金繰りのプロである財務、そして顧客の生の声を知る営業現場など、異なる視点を持つメンバーで評価をクロスチェックします。これにより、多角的な視点が担保され、上層部への説得力が飛躍的に向上します。
3. 撤退基準をセットで設計する
リスクマップを運用する究極の目的は、致命的なダメージを受ける前に「引き返す判断」をすることにあります。
特定のリスクが顕在化し、影響度が許容範囲を超えた場合に「いつ、どのような条件で事業を縮小・撤退させるか」のラインをあらかじめ決めておきます。この基準がセットになっていることで、有事の際に感情を排除した迅速な経営判断が可能になります。
ビジネスにおけるリスクマップ作成のメリットと注意点
リスクマップは強力なツールですが、その特性を理解して運用する必要があります。
メリット
リスクマップの作成は、曖昧な不安を「優先順位」へと可視化し、有事の際の意思決定スピードを劇的に高めます。事前に合意形成がなされることで現場のパニックを防げるだけでなく、投資家に対しても不測の事態を想定内としている姿勢を示せるため、事業の信頼性向上に直結します。
注意点
リスクを洗い出しすぎて動けなくなる「分析麻痺」に陥り、市場投入のタイミングを逃さないよう注意が必要です。また、既存事業の厳しい評価基準をそのまま適用すると革新的なアイデアが潰れてしまうため、新規事業ならではの「許容リスク枠」を設け、挑戦を阻害しない運用が不可欠です。
リスクマップに関するよくある質問
Q. 影響度の数値化はどう進めるべきですか?
A. 最も実務的なのは、会社の経常利益や事業予算に対する損失割合で定義する方法です。
例えば「事業予算の10%以上の損失は影響度4」といった明確な基準を設けることで、
誰が評価しても同じマッピング結果になる客観性を担保でき、上層部の納得感も高まります。Q. どの程度のリスク数まで洗い出すのが適切ですか?
A. 初回のブレインストーミングでは上限なく出しますが、マップに載せるのは30項目程度に絞ります。
あまりに項目が多いと管理負荷が上がり、結果として重要なリスクへの注力がおろそかになりがちです。
事業を左右する「トップ10」のリスクをいかに深く分析し、対策を練れるかが成功の分かれ目です。Q. 既存事業のリスク基準を流用しても良いですか?
A. 既存事業の基準をそのまま当てはめると、新規事業特有の挑戦的な芽を摘んでしまう恐れがあります。 新規事業は「失敗からの学習」が前提となるため、許容できる損失の幅をあえて広く設定するなど、 不確実性を管理しつつもスピードを殺さないための「攻めの評価軸」を再構築すべきです。
Q. 作成後の管理・更新は誰が担当すべきですか?
A. 事業責任者(PM)がオーナーシップを持ち、実際のモニタリングは各現場の担当者が分担します。
リスクマップは作成して終わりではなく、週次や月次の定例会議で「状況の変化」を確認する項目として、
運用のルーチンの中に組み込むことが形骸化を防ぐ最も有効な手段です。
組織の知見を繋ぎ、リスクマップを「攻め」の武器に変えるために
リスクマップで可視化した課題のうち、最もコントロールが難しいのが「システム開発の不確実性」です。ゼロからの開発は多大なコストと時間を要し、市場の変化という最大のリスクに対応できなくなるケースが少なくありません。実績ある「型」を活用し、検証に必要な機能を素早く実装することこそが、新規事業における最も合理的なリスク回避策となります。
カスタメディアの「プラットフォームまるごとサービス」は、800件以上の実績に基づいた基盤を提供し、開発のムダと失敗リスクを極限まで抑えた迅速な立ち上げを支援します。ぜひ、お気軽にご相談ください!
