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事業成功のカギはデザイン思考!導入を行ったの国内企業の事例から分かる新規事業開発のポイント
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事業成功を左右するカギは何か?それは、顧客の真のニーズを理解し、イノベーションを創出する力にあります。近年、多くの国内企業が注目している「デザイン思考」は、そのための強力なフレームワークです。
デザイン思考は、ユーザー視点に立ち、人間中心設計をベースに新たな価値を生み出す思考法であり、新規事業開発やDX推進を加速させる手法として注目を集めています。
本記事では、デザイン思考を取り入れて成果を上げている国内企業の事例を紹介しながら、新規事業開発における活用ポイントや導入の課題、そして成功へのヒントを詳しく解説します。
ぜひ最後まで御覧ください
デザイン思考の基本的な解説はこちらの記事を御覧ください
目次
国内企業におけるデザイン思考導入事例
富士通株式会社
富士通株式会社は、デザイン思考を取り入れながら全社的なデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組んでいます。2020年7月に「Fujitsu Transformation(フジトラ)」プロジェクトを立ち上げ、10月から本格的に始動しました。このプロジェクトでは、製品やサービスだけでなく、ビジネスモデルや業務プロセス、組織、企業文化の改革にも力を注いでいます。
プロジェクトには1,000億円以上が投資され、代表取締役社長の時田隆仁氏がリーダーとして指揮を執り、執行役員常務CIOの福田譲氏が補佐役を務めています。さらに、国内外から選ばれたDX Officerたちが「CDXO Division」という専任の推進組織に集まり、多様な視点でプロジェクトを進めています。
具体的な取り組みの一つが、「One Fujitsuプログラム」です。このプログラムでは、グローバル規模で経営や業務プロセス、データ、ITを標準化し、ERPシステムを統一することで、経営状況をリアルタイムに把握し、未来を予測できる仕組みを構築しています。また、「VOICEプログラム」では、お客様や社員の意見を収集・分析し、共通デジタルサービスを全社的に導入することで、DXを加速させています。
さらに、カルチャーの変革も大きな柱となっています。富士通は、デザイン思考やアジャイルといったフレームワークを活用し、新しい企業文化への転換を目指しています。これらの取り組みにより、富士通は単なるIT企業からDX企業への進化を図っています。自社で得たノウハウや成果を今後のソリューションやサービスに活かし、顧客のDXパートナーとしてさらに貢献していくことを目指しています。
このように、富士通の取り組みは、企業の未来に向けた進化を象徴するものとして注目されています。
株式会社日立製作所
株式会社日立製作所は、デザイン思考を活用したさまざまな取り組みを積極的に展開しています。2015年には、デザイン思考、デジタル技術、サービス工学を組み合わせた独自の協創方法論「NEXPERIENCE(ネクスペリエンス)」を体系化しました。この方法論を活用できる人材「デザインシンカー」の育成にも力を入れています。
この育成の背景には、DX(デジタルトランスフォーメーション)の進め方について顧客からの相談が増えたことがあります。従来の要望に応えるだけの対応では機会を逃してしまうとの考えから、ユーザー視点で課題を解決できる人材の重要性に着目し、教育プログラムを整備しました。
そして日立製作所では、全社員を対象にした基本的な研修や、専門的な知識を深めるための「日立アカデミー」、さらにeラーニングを通じて、幅広い社員がデザイン思考を学ぶ機会を提供しています。
また、日立製作所はセキュリティ対策の再構築にも注力しています。働き方の多様化やデジタル活用の進展により、社員やシステム、データが社内外に分散する状況を受け、ゼロトラストモデルに基づいたセキュリティ対策を導入しました。その一例として、シスコの「SASE(Secure Access Service Edge)」ソリューションや、約5万ライセンスの多要素認証ツール「Duo」を国内の従業員に適用し、安全性を高めています。
株式会社ユニクロ
株式会社ユニクロは、デザイン思考を活用して、革新的な商品開発と顧客体験の向上に取り組んでいます。その一環として、「UNIQLO INNOVATION PROJECT(UIP)」を立ち上げ、画期的な機能性と普遍的なデザインを兼ね備えた「究極の普段着」の開発を目指しています。このプロジェクトには、デザイン・ディレクターの滝沢直己氏やクリエイティブ・ディレクターの佐藤可士和氏など、業界を代表する専門家が参加しています。
UIPの特徴は、先進的な素材や高い技術力を駆使し、世界中の誰もが快適に着られる「普遍的なデザイン」と、高い機能性を組み合わせるという新しいアプローチにあります。これは、ユニクロが掲げる「MADE FOR ALL」という理念を体現する取り組みといえます。
このプロジェクトから生まれた代表的な商品として、HeatTechやAIRismが挙げられます。特にHeatTechは、冬の定番商品として多くの支持を集め、販売数が年々増加しています。このような成功は、UIPの革新的な取り組みの成果を物語っています。
さらに、ユニクロはUIPを通じて、単なる商品の開発だけでなく、そのプロセスや体制自体を改革しようとしています。プロジェクトの成果を象徴するアイコンや「Functionality+Universality It’s how the future dresses.」というコンセプトワードを用い、ブランドメッセージの発信にも力を入れています。
ソニー株式会社
ソニー株式会社は、デザイン思考を活用し、「デザインリサーチ」を通じて革新的な製品やサービスの開発に取り組んでいます。その中心的な役割を担うのがクリエイティブセンターで、未来に向けた価値創造を目指し、さまざまなプロジェクトを展開しています。
その一例が「DESIGN VISION」プロジェクトです。このプロジェクトでは、社会情勢や人々の意識の変化を読み取り、ソニーが目指す未来の姿を描いています。デザイナーたちは世界各地でフィールドリサーチやインタビューを行い、そこで得た洞察を基にワークショップを実施。その成果は「DESIGN VISION Insight」という年次レポートにまとめられ、ソニーグループ全体で共有されています。
また、もう一つの重要な取り組みが「CMFフレームワーク」プロジェクトです。このプロジェクトでは、Color(色)、Material(素材)、Finish(加工)に関する研究を行い、製品デザインの方向性を見出しています。これにより、製品の魅力を引き立てるための具体的なアイデアを提供しています。
東急株式会社
東急株式会社は、2020年から「起業家人材」の採用を目指し、デザイン思考を取り入れた新しい評価方法を導入しました。コロナ禍による環境の変化や新たな企業方針に合わせ、多様な人材を確保するための評価軸を模索する中で生まれた取り組みです。
具体的には、デザイン思考テスト「DXクラウド」と同じアルゴリズムを活用した「ideagram」を用いて、ワークショップを実施しました。初年度は冬季インターンシップでこのワークショップを取り入れ、翌年以降は「デザイン思考フェス」への参加者を本選考につなげる方法を採用しています。
ワークショップでは、参加者が積極的にアイデアを出し合い、実りある成果を得ることができました。工夫したポイントとして、セッション内のアイデアの内容を東急仕様にカスタマイズし、参加者が東急で働く姿をより具体的にイメージできるようにしました。
この取り組みの成果として、初年度の新卒入社約30名のうち2名がデザイン思考ワークショップ出身者でした。また、面接時にデザイン思考力を評価基準に加えることで、学生の新たな魅力に気づく機会が増え、選考の幅が広がりました。「デザイン思考フェス」では、他企業とともに参加し、東急の従来の採用枠を超えた優れたデザイン思考力を持つ学生と接点を持つこともできました。
これらの経験を通じて、東急株式会社は起業家人材の育成にとどまらず、多事業を展開する企業として、多様性を重視した人材の幅広い確保が重要であることを再認識しています。今後もデザイン思考の視点を活かしながら、学生の個性を引き出し、採用力を高めることで、企業としての変革を推進していく方針です。
デザイン思考が新規事業開発に与える影響
デザイン思考は、新しい事業を作り出す場面で大きな力を発揮する方法論です。
その一番の特徴は、企業側の視点ではなく、利用するお客様の視点に立って物事を考えることです。この「人を中心に考える」考え方は、お客様の本当の気持ちや困りごとを深く理解し、それに応える新しい価値を生み出す力になります。
新しい事業を始めるときには、お客様が抱えている問題や、まだ言葉にできていないような願いを見つけることがとても大切です。従来の方法では、市場の調査や数字の分析が中心でしたが、それだけではわからないことがたくさんあります。デザイン思考では、お客様と直接話をしたり、普段の様子を観察したりして、より深く気持ちに寄り添うことを重視します。こうした過程を通じて、お客様が本当に求めていることを発見するきっかけを得るのです。
また、デザイン思考では、新しいアイデアをすぐに形にして試してみることを大切にします。小さな試作品を作り、それを何度も改善していくことで、より良いものを生み出します。このやり方なら、大きなお金や時間をかける前に、お客様の反応を確認して調整できるため、失敗のリスクを抑えながら進めることができます。
さらに、デザイン思考を取り入れることで、会社の中にも良い変化が起こります。部署や職種の壁を越えて、さまざまな人が協力し合うことで、これまでにはなかった新しい発想が生まれやすい環境が整います。こうした場では、失敗を恐れず挑戦することが歓迎され、試行錯誤を重ねる中で素晴らしい成果が育まれます。
このように、デザイン思考は新しい事業を作り出すうえで大きな力になります。お客様の気持ちをしっかりと理解し、それに応えるものを作ることができるだけでなく、会社全体の働き方や考え方にも良い影響を与えます。これからの時代に、企業が成功するために欠かせない方法と言えるでしょう。
新規事業開発におけるデザイン思考の活用ポイント
顧客ニーズの深掘りと課題設定
顧客ニーズを深掘りするとは、表面的な要望や不満だけでなく、その背後にある本質的な欲求や問題を見つけ出すことを指します。たとえば、あるお客様が「もっと軽いバッグが欲しい」と言っている場合、それは単にバッグの重量の問題だけではなく、日常生活での負担軽減や、より快適な移動体験を求めている可能性があります。
繰り返しになりますが、こうした隠れたニーズを見つけるためには、直接お客様に話を聞くインタビューや、実際に商品を使っている様子をじっと観察することが大事です。
お客様が日々どのような場面で困っているのか、どのような価値を大切にしているのかを理解することが、新しいアイデアの種となります。
アイデア創出の手法とワークショップの活用
新しい事業や商品を開発する際、顧客ニーズを深掘りして課題を明確にした後に必要なのが、「解決策を考えるプロセス」、つまりアイデア創出の段階です。この段階では、できるだけ多くの視点や意見を取り入れ、斬新で有効なアイデアを生み出すことが重要です。ここでは、アイデアを効率よく出すための手法や、それを活用するワークショップについて解説します。
アイデア創出の手法
アイデアを生み出す際には、いくつかの効果的な手法があります。代表的なものを以下に紹介します:
- ブレインストーミング
- 最もよく使われる手法で、参加者が自由にアイデアを出し合います。この際、批判や否定をせず、どんなアイデアでも受け入れることがポイントです。参加者の発想が広がり、斬新な解決策が生まれる可能性が高まります。
- マインドマッピング
- 中心となるテーマを紙やホワイトボードに書き、それに関連するアイデアを枝のように広げていく方法です。視覚的に整理できるため、アイデア同士のつながりが見えやすくなります。
- SCAMPER法
- 既存のアイデアや製品を元に、以下の7つの視点からアイデアを出す手法です:
- S: Substitute(置き換える)
- C: Combine(組み合わせる)
- A: Adapt(応用する)
- M: Modify(変化させる)
- P: Put to other uses(他の用途に使う)
- E: Eliminate(取り除く)
- R: Reverse(逆転させる)
- 逆転思考
- 解決したい課題を逆の視点で考える方法です。例えば、「顧客が満足する商品」ではなく「顧客が不満を感じる商品」を考えることで、解決すべきポイントが明確になります。
ワークショップの活用
アイデア創出をさらに効果的に進めるためには、ワークショップ形式での取り組みが有効です。ワークショップは、参加者が一緒に考え、意見を出し合う場を提供することで、より多様な発想が生まれる環境を作ります。
- 目的を明確にする
- ワークショップを始める前に、どの課題を解決するのか、どのような成果を目指すのかを明確にします。参加者全員が同じ方向を向いて取り組むために、このステップは欠かせません。
- 多様な参加者を集める
- 異なる部署や職種、さらには外部の専門家や顧客を招くことで、さまざまな視点や意見を取り入れることができます。多様性があるほど、新しいアイデアが生まれやすくなります。
- アイデアを視覚化する
- ホワイトボードや付箋、デジタルツールを活用して、出たアイデアを視覚的に整理します。こうすることで、参加者全員が内容を理解しやすくなり、アイデア同士の関連性も見えやすくなります。
- 時間を区切る
- ワークショップでは、アイデアを出す時間をあえて短く設定することで、参加者が集中し、発想力を最大限に引き出せます。
- プロトタイピングを取り入れる
- アイデアがある程度出そろったら、簡単な試作品やシミュレーションを作り、実際に試してみます。この過程で得たフィードバックを基に、さらに改善するアイデアを出すことができます。
ワークショップの効果
ワークショップを活用することで、以下のような効果が期待できます:
- 多様な意見が集まる:個人で考えるよりも、チームで取り組むことで、さまざまな視点が加わり、より広い発想が生まれます。
- 意見交換が活発になる:参加者が積極的に意見を出し合う場が作られるため、チーム全体での理解が深まります。
- 協力体制が強化される:共に課題を解決しようとする中で、チーム内の結束力が高まり、組織全体の活性化にもつながります。
アイデア創出の手法とワークショップを組み合わせることで、新しい発想を効率的に生み出し、実現への一歩を踏み出すことができます。このプロセスを繰り返すことで、より実現可能で魅力的な解決策を見つけることができるのです。
プロトタイピングとフィードバックの重要性
プロトタイピングとは、アイデアを実際に目に見える形にすることです。これは完成品を目指すのではなく、あくまで試作品を作る段階です。簡単なスケッチや紙で作った模型、デジタルの簡易モデルなど、プロトタイプにはさまざまな形があります。重要なのは、アイデアを頭の中だけで考えるのではなく、実際に形にして試してみることです。形にすることで、そのアイデアが実際の世界でどのように機能するのかを確認できます。また、他の人と共有することで、具体的な議論を進めやすくなります。
プロトタイプができたら、それを試して意見を集めるのがフィードバックの段階です。このフィードバックは、チームのメンバー、外部の専門家、さらには実際の顧客など、さまざまな立場の人から得ることができます。フィードバックを受けることで、アイデアのどこが効果的で、どこを改善すべきかが明らかになります。たとえば、顧客から「この機能は便利だけれど、操作が少し複雑」という意見をもらった場合、その操作性をどう改善するかを考えるきっかけとなります。
このプロトタイピングとフィードバックのプロセスは、一度で終わるものではありません。試作品を作り、それを試し、得られた意見を基に改良した新たなプロトタイプを作る――これを繰り返すことで、アイデアは少しずつ洗練され、現実的で実用的なものへと進化していきます。この反復的な取り組みが、最終的に顧客にとって価値のある製品やサービスを生み出す鍵となるのです。
デザイン思考導入時の組織文化と体制の整備
経営層のコミットメントとビジョン共有
新しい事業を成功させるには、経営層が自ら先頭に立ち、強い意志を持って取り組む姿勢を示すことが欠かせません。この「コミットメント」が明確であればあるほど、組織全体にその意志が伝わり、挑戦への意欲が高まります。しかし、それだけでは不十分です。その意志を全社で共有するためには、「ビジョン共有」が必要です。経営層が目指す未来を明確に描き、それを全員で共有することで、企業全体が一体感を持って進む方向性を確立できます。
経営層のコミットメントが重要なのは、それが社員の行動や意識に直接影響を与えるからです。経営層が新しい事業に対して明確な方針を示し、熱意を持って関わる姿勢を見せることで、社員はその事業が会社全体にとって重要なものであると理解します。これにより、社員一人ひとりがその事業に関与する意義を感じ、積極的に取り組むようになります。一方で、経営層の態度が曖昧だと、社員の関心も薄れ、事業が計画通りに進まなくなるリスクが高まります。
さらに、経営層のコミットメントは、プロジェクトを進めるためのリソース配分や意思決定の速さにも影響します。新しい事業には時に大胆な判断や、組織体制の変更が必要になることがありますが、それをスムーズに進めるには、経営層が強いリーダーシップを発揮することが求められます。例えば、必要な人材や予算を迅速に確保し、現場のニーズに応えることで、事業全体の動きを加速させることができます。
ビジョン共有も同様に、新しい事業を成功に導くために欠かせない要素です。経営層が描く「どのような未来を目指しているのか」というビジョンを、組織全体で共有することで、社員は自分たちの仕事の方向性や意味を理解しやすくなります。このビジョンが明確であるほど、社員は業務を進める上での迷いが減り、日々の行動に一貫性を持たせることができます。
部門横断的なチーム編成と協働促進
新しい事業や製品を成功させるためには、企業内の異なる部門や専門分野を超えたチーム編成が鍵となります。この「部門横断的なチーム編成」は、従来の縦割り型の組織構造では難しい多角的な視点を生み出し、より創造的で実行力のあるプロジェクトを進めるための基盤となります。
部門横断的なチームでは、開発、営業、マーケティング、カスタマーサポートなど、異なる役割を持つメンバーが集まり、それぞれの専門知識や現場での経験を共有します。このような構成は、顧客のニーズや市場の変化を多角的に捉えることができ、従来では気づけなかった問題点や新たな解決策を見つけるきっかけとなります。
さらに、この取り組みを成功させるには、メンバー間の協働を促進する仕組みや文化が必要です。たとえば、定期的なミーティングや意見交換の場を設けることで、互いの考えや進捗状況を共有しやすくなります。また、リーダーはメンバー全員の意見を尊重し、それぞれの強みを活かす役割分担を行うことで、チーム全体の効率性とモチベーションを高めることができます。
こういった部門横断型のアプローチは、組織の枠を超えたアイデアや価値を生み出し、企業全体の革新力を高める原動力となります。
デザイン思考研修の効果とおすすめプログラム
デザイン思考を取り入れる企業が増える中、その導入を効果的に進めるための手段として「デザイン思考研修」が注目されています。この研修は、社員がデザイン思考の基本的な考え方や実践的なスキルを学び、自社の課題解決や新規事業開発に活かすための土台を作ります。
デザイン思考研修の効果
- 社員の意識改革
デザイン思考は「顧客視点」に基づくため、研修を通じて社員はこれまでの「製品やサービス中心の発想」から「顧客の課題やニーズを起点とした発想」へと意識を転換することができます。これにより、日常業務でも顧客に寄り添った行動が促進されます。 - 創造力の向上
デザイン思考研修では、アイデア創出や課題解決のフレームワークを学ぶため、社員一人ひとりの創造力が高まります。また、自由な発想を歓迎する文化が社内に根付くきっかけにもなります。 - チームワークの強化
研修の中では、チームでアイデアを出し合ったり、課題を共有して解決策を模索する場面が多くあります。これにより、部門を超えた協力関係が生まれ、社員同士のコミュニケーションも活性化します。 - 実践的なスキルの習得
デザイン思考の基本プロセス(共感、課題の定義、アイデア創出、プロトタイピング、テスト)を実際に体験することで、現場ですぐに活用できるスキルを習得できます。
おすすめのデザイン思考研修プログラム
- 社内向けワークショップ
自社の課題や顧客のニーズを題材にした実践的なワークショップを実施します。社員が実際の業務で直面する問題をテーマにすることで、学んだスキルをすぐに活用できる実感を得られます。 - 外部講師によるトレーニング
専門のデザイン思考ファシリテーターを招き、基本的な理論から具体的な事例紹介までを学ぶ研修です。外部の視点が加わることで、より広い視野を持つきっかけとなります。 - オンライン研修
地理的な制約を受けずに受講できるオンライン形式の研修もおすすめです。動画や課題を活用したeラーニング形式で、基礎知識を学ぶのに適しています。 - ハンズオン形式の研修
実際に手を動かして試作品を作るプロトタイピング体験を含む研修です。具体的な結果が見えるため、学習の効果を実感しやすく、参加者のモチベーションも高まります。
実践へのステップ
デザイン思考研修を成功させるためには、学びを終えた後の実践が重要です。研修を受けた社員が中心となり、社内の課題解決プロジェクトを立ち上げたり、他の社員を巻き込んでワークショップを実施するなど、学びを社内に広める活動を支援する仕組みを整えると良いでしょう。
デザイン思考研修は、社員のスキル向上だけでなく、企業全体の文化変革や競争力向上にもつながります。研修を通じて得た知識や経験を実際の業務で活用することで、顧客に愛される製品やサービスを生み出す力が身につくのです。
デザイン思考導入におけるよくある課題とその解決策
デザイン思考は導入に際してはさまざまな課題が発生することがあります。これらの課題を理解し、適切に対処することで、デザイン思考を成功裏に取り入れることができます。以下では、よくある課題とその解決策を解説します。
課題1: 社内の抵抗感や文化的な壁
デザイン思考は従来の業務プロセスや意思決定方法とは異なるため、特に既存の枠組みが強い組織では、「これまでのやり方の方が効率的だ」といった抵抗が生まれることがあります。また、「デザイン」という言葉が、デザイナーや専門職だけが行うものだと誤解されるケースも少なくありません。
解決策
まず、デザイン思考の本質を理解してもらうことが重要です。そのために、全社的な説明会やワークショップを開催し、経営層や社員にデザイン思考の効果や成功事例を共有します。また、小規模なプロジェクトから始めて成功事例を積み重ねることで、社内での理解と信頼を深めていきます。「誰でも実践できる手法」ということを強調し、職種や役職に関わらず取り組みやすい環境を作ることがポイントです。
課題2: デザイン思考に必要な時間やリソースの不足
デザイン思考は、顧客の課題を深く理解し、アイデアを試行錯誤しながら磨き上げるプロセスを重視します。そのため、短期的な成果を求める企業では「時間がかかる」「即効性が見えない」と感じられることがあります。
解決策
初めから大規模な導入を目指すのではなく、限られたリソースの中で行える小さなプロジェクトを設定します。例えば、1日程度で完結するワークショップ形式で進めることで、限られた時間内でも成果を実感できます。また、プロトタイピングやフィードバックといった具体的な成果が得られるフェーズを短期間で取り組むことで、成果を可視化し、デザイン思考の有効性を証明することができます。
課題3: 経営層のサポート不足
デザイン思考は、全社的な取り組みとして進める場合、経営層の理解と支援が欠かせません。しかし、経営層が「デザイン思考は現場の話」と捉えていると、導入が進まないことがあります。
解決策
経営層への働きかけは、デザイン思考の導入初期段階から重要です。経営層に対し、デザイン思考がもたらすビジネス上の効果を具体的な数値や成功事例を交えて説明します。また、経営層を巻き込むための特別なワークショップを開催し、実際にそのプロセスを体験してもらうことで、理解と支援を得やすくなります。
課題4: デザイン思考のスキル不足
デザイン思考は、特定のフレームワークやプロセスに基づいて行われますが、初めて取り組む社員にとっては、その方法を理解し、実践することが難しい場合があります。
解決策
デザイン思考を学ぶための研修やトレーニングプログラムを提供し、スキルの底上げを図ります。特に、簡単な実践から始めることで、社員が自信を持って取り組めるようサポートします。また、外部のファシリテーターや専門家を活用し、具体的なプロジェクトで伴走してもらうことで、実務を通じて学びを深める機会を提供するのも効果的です。
課題5: 継続性の欠如
デザイン思考を一時的な取り組みとして終えてしまうケースもあります。これでは一過性の効果にとどまり、長期的な変革にはつながりません。
解決策
デザイン思考を組織文化に根付かせるためには、継続的な実践が必要です。これには、定期的なワークショップの開催や、デザイン思考を取り入れたプロジェクトの運営を支援する仕組みを整えることが有効です。また、成功事例や改善事例を社内で共有することで、「デザイン思考が成果を生む」という実感を広め、取り組みを継続する動機づけを行います。
まとめ
デザイン思考は単なる手法ではなく、顧客の課題を解決し、新しい価値を生み出すための思考法です。それを継続的に実践することで、企業は市場での競争力を高めるだけでなく、社員同士の連携や組織の活性化をも実現できます。イノベーションを生み出し、持続可能な事業を構築するために、デザイン思考を取り入れる意義はますます高まっているため、これをきっかけに、自社の可能性をさらに広げる一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。