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【解説】新規事業の事例15選から学ぶ、成功企業の共通パターン

2026年5月28日

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「新規事業を立ち上げたいけれど、どんな事例を参考にすればいいかわからない——」そんな状況にある方は、業種や規模を問わず多いのではないでしょうか。情報は溢れていても、「なぜその事業が成功したのか」という構造まで読み解いた情報は、意外と少ないものです。

この記事では、大手企業・中小企業・ベンチャーの新規事業成功事例を15社以上取り上げながら、事業立ち上げに共通するパターンと、失敗を避けるために押さえておきたいポイントを順を追って整理していきます。

目次

新規事業の事例から「成功の構造」を読み解く3つの視点

他社の成功事例をリサーチする際、表面的なアイデアだけを真似しても同じ結果になるとは限りません。事例を自社の新規事業に正しく活かすために、背景にある「成功の構造」を見極める3つの視点を押さえることが大切です。

  • 視点1:どのような「顧客の課題(不満・不便)」を解決したか(着眼点)
  • 視点2:自社の「既存の強み(資産・技術)」をどう活かしたか(レバレッジ)
  • 視点3:立ち上げ初期の「集客の壁」をどう突破したか(グロースの仕組み)

単に事例を眺めるだけでなく、この3つの構造に着目することで、他社の取り組みが自社の事業計画を成功へ導く「教科書」に変わります。

新規事業を形にするための具体的な開発プロセスや、失敗リスクを最小限に抑えるための基礎知識については、こちらの新規事業開発の完全ガイドをあわせてご確認ください。
新規事業開発とは?プロセス・フレームワーク・マネジメントまで一から整理する

大企業の新規事業 成功事例10選

それでは大手企業が新規事業を立ち上げて実際に成功した事例をご紹介します。これらを参考にしつつ、活かせるアイデアがないか探っていきましょう。

JR東日本「Peer Cross」|ワーキングマザーのキャリア孤立を解消する

画像引用:https://www.peercross.jp/

JR東日本の新事業創造プログラム「ON1000(オンセン)」から生まれたPeer Crossは、大手企業のワーキングマザー同士がプラットフォーム上でマッチングし、1on1でキャリア相談ができるサービスです。

社内で同じ悩みを共有できる相手が少なく、孤立してキャリアを断念してしまうケースに着目したことがポイントです。社外ネットワークに課題解決の場を広げるという発想は、多くの業界に応用できるモデルではないでしょうか。

カスタメディアの支援事例
Peer Crossは、カスタメディアがプラットフォーム開発を支援した事例のひとつです。
Peer Crossの事例詳細を見る

日立製作所「Lumada」|グループの知見を束ねるデータ活用基盤

画像引用:https://www.hitachi.co.jp/products/it/lumada/index.html

IoTの普及によって生まれる大量のデータを、ビジネス価値に変換するプラットフォームサービスがLumadaです。需要予測・品質管理・エネルギー管理など、製造業の現場課題を横断的に解決します。

日立が世界有数の総合電機メーカーとして持つ知識と技術の集積があってこそ実現したサービスで、今日では多くの大手企業がLumadaのソリューションを利用しています。

三菱電機「ビルサポβ」|マッチングで、BtoBの非効率を解消する

画像引用:https://service.customedia.co.jp/content/case/buil-suppo/

日本に10万棟以上存在するビルには、定期的なメンテナンスが必要です。しかし「どの業者がどのエリアをカバーしているか」「どんな作業に対応できるか」をビルオーナーが把握するのは、容易ではありませんでした。

三菱電機が概念実証として取り組んだ「ビルサポβ」は、ビルオーナーとビルメンテナンス会社を直接結ぶマッチングプラットフォームです。図面の電子化支援も組み合わせ、業界全体のDX化を推進しています。

カスタメディアの支援事例
ビルサポβは、カスタメディアがプラットフォーム開発を支援した事例のひとつです。
ビルサポβの事例詳細を見る

清水建設「プロパティデータバンク」|社内起業から18年で上場へ

画像引用:https://propertydbk.com/

清水建設が社内起業家支援制度を活用して設立したプロパティデータバンク株式会社は、不動産・資産管理クラウド「@プロパティ」を提供しています。業界随一の実績とノウハウを積み上げ、プラットフォーム事業を始めてから18年でマザーズ市場への株式上場を果たしています。

大企業の社内ベンチャーが長期的なプラットフォームビジネスとして成立した好例のひとつです。

富士通「VOICE(Qualtrics活用)」|全社DXの核となった”声の可視化”

画像引用:https://www.qualtrics.com/jp/partner/fujitsu/

2020年に始まった富士通の全社DXプロジェクトでは、Qualtricsを活用した「VOICE」という取り組みが核となりました。顧客と社員の声をデジタル経営に組み込む仕組みで、各部門のDX責任者(DX Officer)が経営層から現場までをつなぎ、アジャイルでプロジェクトを進める体制が特徴です。

DXは「ツールの導入」ではなく「意思決定の変革」だということを、このプロジェクトはよく示しているかもしれません。

So-net「エムスリー(m3.com)」|医師向け専門プラットフォームの先駆け

画像引用:https://www.m3.com/

So-netが新規事業として立ち上げたm3.comは、医師・医療関係者向けのニュース・文献検索・コミュニティを統合したプラットフォームです。現在は32万人以上の医師が登録しており、医師専用のSNS・マーケティングプラットフォームとして業界に欠かせない存在になっています。

住友商事「MonotaRO(モノタロウ)」|データベースでBtoBのECを変えた

画像引用:https://www.monotaro.com/

住友商事と米国グレンジャー社の出資で2000年に設立されたMonotaROは、工場で使われるメンテナンス・修理・運用製品約24万点をデータベース化し、ネット注文・迅速配送を実現しました。

「工場の購買業務をECで変える」というシンプルな発想が、BtoBのロングテール市場に大きなインパクトをもたらした事例です。

日本特殊陶業「シェアリングファクトリー」|工場設備のシェアリングエコノミー

画像引用:https://sharingfactory.co.jp/welcome/company

工場設備・計測器・遊休資産のシェアリングサービスを提供する社内ベンチャーです。企業間でのメッセージやり取りの仕組みも整っており、「メルカリの設備機器版」とも言えるモデルで、初期投資が難しい工場のコスト削減と生産性向上を支援しています。

ロジェスティード「レコビス」|シェアリング事業の物流バックエンドを担う

画像引用:https://www.logisteed.com/jp/recovice/

「レコビス」は、シェアリング・サブスクリプション・レンタルに関わる複雑な物流業務を一括サポートするサービスです。RFIDなどの技術を組み合わせ、商品の出荷・返却・メンテナンス状況をリアルタイムで把握できます。

物流という「縁の下の力持ち」の課題を専門プラットフォームで解決するアプローチは、シェアリングエコノミーの拡大とともに需要が伸びています。

富士フイルム「ヘルスケア事業」|フィルム技術をナノ・医薬へ転換した大胆な事業転換

画像引用:https://www.fujifilm.com/jp/ja/about/corporate/field/healthcare

デジタルカメラの普及によって写真フィルム市場が急縮小する中、富士フイルムは自社が持つナノテクノロジー・コラーゲン合成技術・化学合成ノウハウを医療・医薬領域に転用する事業転換を断行しました。現在はバイオ医薬品製造受託(CDMO)・医療機器・医師診断支援AIなどを中核としたヘルスケア事業を展開しており、2024年度のヘルスケア部門売上は1兆円を超え、全社の売上の約3割を占めるまでに成長しています。

「既存技術の新用途開拓」を徹底した事業転換の代表的な成功事例として、多くの経営書でも取り上げられています。

中小・ベンチャー企業の新規事業事例

「大企業の事例は参考になるけれど、規模感が違いすぎる……」と感じる方もいるのではないでしょうか。中小・ベンチャー規模でも、「課題×プラットフォーム」の発想で新規事業を展開しているケースは増えています。

ラクスル|印刷業界の非効率をITで解消したBtoBプラットフォーム

2009年に創業したラクスルは、「楽に刷る」をミッションに、複雑だった印刷発注プロセスをITでシステム化しました。発注・デザイン・入稿・決済・配送までをワンストップで対応し、印刷コストと発注工数を大幅に削減。その後、テレビCMの効果可視化プラットフォーム「ノバセル」や物流プラットフォーム「ハコベル」にも展開し、「産業のプラットフォーマー」として上場を果たしています。

メルカリ|個人間取引の不便をスマホで解消したフリマアプリ

2013年に創業したメルカリは、「不用品をスマホで簡単に売り買いできる場」を提供することで急成長を遂げました。写真を撮って出品する手軽さと、独自のエスクロー決済による安心感が支持を集め、2023年時点で国内の月間利用者は2,000万人を超えています。米国展開にも挑戦し、個人間取引(C2C)プラットフォームの日本発グローバル事例として知られています。

SmartHR|労務手続きの”紙とハンコ”をSaaSで置き換える

2015年に創業したSmartHRは、入社手続き・雇用契約・年末調整など、複雑で紙中心だった労務手続きをクラウドで自動化するSaaSです。行政手続きとのAPI連携を実現し、「従業員体験」の向上と管理部門のコスト削減を同時に提供。2023年時点で導入企業は60,000社を超え、HR分野のユニコーン企業に成長しています。

食べチョク(ビビッドガーデン)|産地直送ECで農家と消費者を直接つなぐ

2018年に立ち上がった食べチョクは、全国の農家・漁師が消費者に直接食材を販売できる産直ECプラットフォームです。中間流通を省くことで、生産者の手取りを増やしながら消費者には新鮮な食材を届けるモデルが支持を集め、登録生産者数は8,000軒以上(2024年時点)に拡大。コロナ禍での巣ごもり需要も追い風となり、農業×ITの先進事例として注目を集めています。

Ubie(ユービー)|AI問診で医療現場の”問診時間”を削減する

2017年に創業したUbieは、AIを活用した問診サービスを病院向けに提供しています。患者がスマートフォンで症状を入力すると、AIが適切な質問を重ねて医師向けの要約レポートを生成。問診時間の短縮と診療の質向上を同時に実現します。2024年時点で国内1,000以上の医療機関に導入されており、「医療×AI」領域のスタートアップとして国内外から注目されています。

成功した新規事業に共通する3つのパターン

ここで少し視点を変えてみましょう。上記の事例を眺めていると、成功している新規事業には一定の構造が見えてきます。「良いアイデアがあれば成功する」というわけではなく、次の3つのパターンのいずれかに当てはまるケースが多いのではないでしょうか。

パターン1:既存リソース × デジタル化

清水建設・日立製作所・三菱電機に共通するのは、「自社がすでに持っている知識・データ・顧客基盤」をデジタルプラットフォームで再活用したことです。ゼロから市場を開拓するのではなく、「すでに信頼関係がある領域」でデジタル化の余地を見つけることが出発点になっています。

パターン2:二者間の非効率を「プラットフォーム」で解消

ビルサポ・Peer Cross・Anyca・MonotaROに共通するのは、「AとBの間に存在する摩擦(情報の非対称・マッチングコスト)」をプラットフォームで解消するモデルです。

このモデルの強みは、ネットワーク効果によって参加者が増えるほどサービスの価値が高まること。最初の「鶏と卵問題」を乗り越えれば、競合が追いつきにくい優位性を構築できます。プラットフォームビジネスの設計について詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてみてください。

関連記事:プラットフォームビジネスとは?代表的な分類や課金モデル、事例をわかりやすくご紹介!

パターン3:社会課題 × 持続可能なビジネスモデル

m3.comやシェアリングファクトリーのように、「社会的な非効率・格差・情報の偏り」を解決しながら、収益モデルとして機能させているケースです。社会課題を起点にすると、ターゲット顧客が明確になりやすく、外部からの共感・支援も得やすくなる傾向があります。

新規事業が「うまくいかない」よくある失敗パターン

成功事例を見るだけでなく、失敗のパターンを知っておくことも、とても重要です。経済産業省・中小企業庁の調査でも、新規事業の成功率は一般的に10〜20%程度と言われており、多くの事業が初期段階で壁にぶつかります。

よくある失敗パターンを整理すると、次の3点に集約されます。

  1. 市場調査が甘く「思い込み」で進んでしまう
    自社が提供したいものと、顧客が本当に欲しいものがずれているまま開発が進むケースです。MVP(最小限の製品・サービス)で早期に市場検証する習慣が成否を分けます。
  2. 経営陣のコミットメントが途中で薄れる
    新規事業は短期的に黒字化しにくいため、「なかなか成果が出ない」という段階で既存事業に経営資源が戻ってしまうことがあります。新規事業専任チームの設置や、評価軸の分離が重要です。
  3. ビジネスモデルが「単発」で終わる
    プロジェクト型・スポット型の収益構造のままでは、スケールしません。MonotaROやLumadaが示すように、繰り返し利用・ネットワーク効果・データ蓄積といった「積み上がる仕組み」を設計に組み込むことが、長期的な成長の鍵です。

「二者間をつなぐ」新規事業を考えているなら

新規事業の立ち上げを検討していて、「自社だけで製品を作るのではなく、誰かと誰かをつなぐ仕組みを考えている」という方もいるのではないでしょうか。

そうした場合、プラットフォーム型のビジネスモデルは検討に値します。需要と供給をマッチングし、手数料・広告・サブスクリプションで収益を上げるモデルは、業界を問わず応用が効く設計です。また、蓄積されたネットワークデータは仮に一度失敗しても次のマーケティングに活かせるという点も、特徴のひとつです。

新規事業開発に最適なMVPツール「カスタメディアプラットフォーム」

カスタメディアでは、プラットフォーム型の新規事業に取り組む企業を、企画段階から開発、その後の伴奏支援まで一貫してサポートしています。

  • マッチングサイト・コミュニティサービスの設計・開発
  • 既存事業のデジタルプラットフォーム化
  • 社内ベンチャー・新規事業のPoC(概念実証)支援

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よくある質問

  1. Q. 新規事業としておすすめのモデルは?

    プラットフォームビジネス(マッチング・コミュニティ・シェアリング)は、ネットワーク効果でスケールしやすく、長期的な競争優位を築きやすいモデルとして注目されています。詳しくはプラットフォームビジネスとは?をご覧ください。

  2. Q. 新規事業の成功率はどのくらい?

    一般的に10〜20%程度と言われています(中小企業庁調査参照)。成功するかどうかは「アイデアの良し悪し」より、「市場検証のスピード」と「ビジネスモデルの設計」に左右される部分が大きいとされています。

  3. Q. 新規事業が失敗する主な原因は?

    ①市場調査不足による「思い込み」での開発
    ②経営陣のコミットメントの低下
    ③単発型収益構造でスケールしない
    この3つが代表的なパターンです。

  4. Q. 新規事業をゼロから立ち上げるとき、何から始めるべきですか?

    まず「どんな課題を、誰のために解決するのか」を言語化することが出発点です。市場調査・競合分析・ビジネスモデルの検討は、この問いに答えた後に行うと効果的です。

  5. Q. プラットフォーム型の新規事業はどんな業界に向いていますか?

    需要と供給の「マッチングコスト」が高い業界ほど相性が良い傾向があります。不動産・建設・製造・医療・人材・物流など、「情報が属人化しやすいBtoB業界」での展開事例が多く見られます。

アイデアより先に、「誰のどんな課題を解くか」を問いませんか?

新規事業の事例を調べると、ついアイデアの「面白さ」や「新しさ」に目が向きがちです。でも実際に成功している事業を見ていくと、「斬新なアイデア」よりも「確かな課題に、適切な仕組みで応えた」ことが共通点として見えてきます。

失敗するパターンのほとんどは、「なにを作るか」を決める前に「なぜそれが必要か」の検証が不十分だったケースです。プラットフォームビジネスという設計を選んだ企業が成功している事例が多いのも、「ネットワークに価値が宿る仕組み」を最初から組み込んでいるからかもしれません。

「まだアイデアが固まっていない」という段階でも、まず現状を整理することから始めてみませんか。カスタメディアでは、新規事業のプラットフォーム開発・マッチングサイト構築を通じて、多くの企業の立ち上げに関わってきました。どんな事業の種があるか、一緒に考えることができます。

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