マーケティングBLOG
DX推進にデザイン思考を活用する方法とは?課題発見から解決までを解説
導入実績700サイト以上!!
「カスタメディア」の事例ダウンロードは
こちら
デジタルトランスフォーメーション(DX)は、デジタル技術を活用して、企業のビジネスや業務の在り方を変え、競争力を高めるための大切な取り組みです。しかし、DXの推進は簡単ではなく、多くの企業がその難しさに直面しています。古いシステムの見直しや新しい技術の導入、社内の文化を変える必要など、乗り越えるべき壁はさまざまです。
そんな中、DXを成功させるには、お客様の目線で課題を見つけ、解決する方法が欠かせません。そこで注目されているのが「デザイン思考」です。もともとはデザイナーが製品やサービスを作る際に使っていた考え方ですが、今ではビジネスの問題解決にも広く活用されています。
この記事では、デザイン思考を使ったDX推進の方法をわかりやすくご紹介します。課題の見つけ方から解決までの流れを具体的に説明し、さらにデザイン思考の良さや導入する際のポイント、気を付けるべき点についても触れます。
ぜひ最後まで御覧ください。
目次
なぜDX推進は難しいのか
DX推進は、多くの企業にとって容易な道のりではありません。その難しさは、技術的な課題だけでなく、組織文化や既存のビジネスモデルといった複雑な要因が絡み合っている点にあります。
まず、DXは単なるITシステムの導入ではありません。ビジネスモデルや業務プロセス、組織文化、そして顧客体験に至るまで、企業のあらゆる側面をデジタル技術によって変革していく必要があります。そのため、既存のシステムや慣習に固執した考え方では、真のDXを実現することは困難です。
次に、社内の理解と協力の不足も大きな障壁となります。DX推進には、経営層から現場担当者まで、全社的な意識改革とスキル向上が不可欠です。しかし、現状維持を望む声やデジタル技術への抵抗感などから、推進が滞ってしまうケースも少なくありません。
さらに、適切な人材の確保も課題です。DXを推進するには、デジタル技術に精通した人材だけでなく、ビジネスの課題を理解し、変革を推進できるリーダーシップを持った人材も必要です。しかし、これらの高度なスキルを持つ人材は不足しており、獲得競争も激化しています。
最後に、明確な目標設定と効果測定の難しさも挙げられます。DXの成功は、売上増加やコスト削減といった定量的な指標だけでなく、顧客満足度向上や従業員の働き方改革といった定性的な指標も考慮する必要があります。しかし、これらの指標を適切に設定し、効果を測定することは容易ではありません。
これらの要因が複雑に絡み合い、DX推進の難しさにつながっているのです。
デザイン思考で解決できる課題とは
DX推進には、技術的な課題だけでなく、人材、組織文化、既存システムなど、様々な課題が複雑に絡み合っています。これらの課題は、従来型の論理的なアプローチだけでは解決が難しい場合が多く、デザイン思考は、まさにこうした複雑な課題の解決に有効な手法です。
デザイン思考は、顧客中心のアプローチで課題解決に取り組むため、以下のような課題の解決に役立ちます。
- 顧客ニーズの把握不足:
顧客の真のニーズを理解しないままDXを進めてしまい、期待した成果につながらないケースは少なくありません。デザイン思考は、顧客への共感を通じて真のニーズを深掘りし、顧客にとって本当に価値のあるDXを実現します。 - 現場の抵抗感:
DX推進には、業務プロセスやシステムの変更が伴うため、現場の抵抗感が課題となることがあります。デザイン思考は、現場の声を丁寧に拾い上げ、共感を得ながら変革を進めることで、スムーズなDX推進を支援します。 - アイデア発想の停滞:
既存の枠にとらわれた考え方では、DX推進に必要な革新的なアイデアを生み出すことができません。デザイン思考は、多様な視点を取り入れながら自由な発想を促し、斬新なアイデア創出を支援します。 - プロジェクトの停滞:
DXプロジェクトは、複雑で長期にわたるため、途中で停滞してしまうリスクがあります。デザイン思考は、プロトタイプ作成と検証を繰り返すことで、リスクを早期に発見し、軌道修正しながらプロジェクトを前進させます。
これらの課題は、いずれもDX推進における大きな障壁となります。デザイン思考を活用することで、これらの課題を効果的に解決し、DX推進を成功に導くことができます。
DX推進に使えるデザイン思考のメリット
デザイン思考は、DX(デジタルトランスフォーメーション)を進めるうえで、たくさんの良い影響をもたらします。お客様の視点で課題を考え、共感を通じて本当のニーズを理解することで、より現実的で効果的な取り組みが可能となります。
具体的には、次のような良い点があります:
- お客様の視点を活かせる
お客様の気持ちに寄り添うことで、本当に必要とされることに応えられるDXを進められます。これにより、お客様が満足するサービスや仕組み作りに繋がります。 - 関係者の意見がまとまりやすい
デザイン思考を使うと、いろいろな部署のメンバーが同じ理解を持てるようになります。その結果、チーム全体が協力しやすくなり、スムーズにDXを進められます。 - 実現しやすい解決策を見つけられる
試作品を作って実際に試すことで、無駄を減らし、成功しやすい方法を見つけられます。 - 新しいアイデアが生まれる
固定観念にとらわれずに考えることができるので、今までにない新しい解決策が生まれます。これが競争力の向上にも繋がります。 - 会社全体が活気づく
デザイン思考を取り入れることで、お客様のことを考える姿勢や、試しながら進める文化が社内に広がります。これがDXだけでなく、会社全体の元気にも繋がります。
こうしたポイントを活かすことで、デザイン思考はDXを成功させる強い味方になります。
DX推進におけるデザイン思考の活用
業務プロセスの改善
デザイン思考は、既存の業務プロセスを分析し、非効率な部分を特定して改善する上で非常に有効です。現場の担当者へのインタビューやワークショップを通して現状を詳細に把握し、課題の根本原因を探ることで、より効果的な改善策を導き出すことができます。
例えば、以下のような業務プロセスにおける課題をデザイン思考によって解決できます。
課題 | 改善策の例 |
---|---|
部門間の連携不足による情報の伝達遅延 | 定期的な合同会議の実施、情報共有ツールの導入 |
煩雑な承認プロセスによる業務の停滞 | 承認プロセスの簡素化、権限の委譲 |
紙媒体中心の業務による非効率 | 業務システムの導入、ペーパーレス化 |
属人的な業務によるブラックボックス化 | 業務マニュアルの作成、標準化 |
デザイン思考のプロセスを通して、現場の声を反映した現実的な解決策を立案し、プロトタイプを作成・検証することで、よりスムーズかつ効率的な業務プロセスを実現できます。
業務プロセスの改善によって、業務効率の向上、コスト削減、従業員の満足度向上など、様々な効果が期待できます。
例えば、業務システムの導入によって、データ入力の手間を省き、人的ミスの発生率を低減できます。また、承認プロセスの簡素化によって、意思決定のスピードを向上させ、プロジェクトの進捗をスムーズに進めることができます。
これらの改善は、DX推進における重要なステップとなり、企業の競争力強化に繋がります。
新規サービス開発
デザイン思考は、DX推進における新規サービス開発にも効果を発揮します。従来型の開発手法では、技術的な実現可能性や市場の既存ニーズを重視する傾向がありました。しかし、デザイン思考ではユーザー中心のアプローチを取り、潜在的なニーズや課題を掘り下げることで、真にユーザーにとって価値のある、革新的なサービスを生み出すことができます。
例えば、既存の顧客管理システムをDX化する場合、単にシステムを最新のものに置き換えるだけでは、真の価値提供は難しいでしょう。デザイン思考を用いれば、顧客の行動を分析し、どのような機能が求められているのかを深く理解することで、顧客満足度向上に繋がる新たなサービスを開発できます。また、社内システムのDXにおいても、従業員の業務における課題を明確化し、業務効率化や生産性向上に寄与する新しいシステムやサービスを開発することに役立ちます。
デザイン思考を新規事業に活かす実践的な方法はこちらの記事をご参考になさってください
顧客体験向上
デザイン思考は、顧客体験(CX)向上にも大きく貢献します。顧客を深く理解し、真のニーズに基づいたサービスを提供することで、顧客満足度を高め、持続的な関係構築を可能にします。
例えば、あるECサイト運営企業が、離脱率の高さに悩んでいたとします。従来の分析では原因が特定できませんでしたが、デザイン思考を取り入れ、顧客インタビューを実施。すると、サイトの操作性が複雑で、目的の商品にたどり着きにくいという顧客の声が多数あがりました。
そこで、顧客視点でサイトデザインを刷新。検索機能の改善や、商品カテゴリの分かりやすい表示など、顧客体験を重視したUI/UXに変更しました。その結果、離脱率が大幅に減少し、コンバージョン率も向上。顧客満足度向上とビジネス成長の両立に成功しました。
このように、顧客体験向上を目指す上で、デザイン思考は強力なツールとなります。顧客の行動や心理、感情を深く理解することで、真のニーズを捉え、顧客にとって価値のあるサービスを提供することが可能になります。DX推進において、顧客体験向上は重要な要素です。デザイン思考を活用することで、顧客中心のサービス開発を実現し、競争優位性を築くことができます。
デザイン思考導入のポイントと注意点
組織文化の変革
デザイン思考をDX推進に活用するには、組織文化の変革が不可欠です。従来の縦割り型組織や階層的な意思決定プロセスでは、デザイン思考のアプローチである「共感」「協働」「試行錯誤」を阻害する可能性があります。
デザイン思考は、多様な視点を取り入れ、オープンなコミュニケーションを促進することで、革新的なアイデアを生み出すことを目指します。そのため、組織文化もそれに適応した形に変化させる必要があります。
具体的には、以下のような変革が必要です。
- 心理的安全性の確保: メンバーが自由に意見を交換し、失敗を恐れずに新しいアイデアを試せる環境を作る必要があります。そのためには、上司や同僚からの批判や否定的な意見を抑制し、互いを尊重しあう文化を醸成することが重要です。
- 部門横断的な連携の促進: デザイン思考は、異なる部門のメンバーが協力して課題解決に取り組むことを重視します。部門間の壁を取り払い、スムーズな情報共有や連携を促進する必要があります。
- 実験と学習を重視する文化の醸成: デザイン思考は、仮説検証と試行錯誤を繰り返すプロセスです。そのため、失敗を許容し、そこから学びを得て改善していく文化を醸成することが重要です。一度の失敗で諦めるのではなく、粘り強く挑戦し続ける姿勢が求められます。
これらの変革は一朝一夕で実現できるものではありません。経営陣が率先して変革を推進し、社員一人ひとりが意識改革に取り組むことで、デザイン思考を根付かせ、DX推進を成功に導くことができるでしょう。
関係部署との連携
デザイン思考のプロセスでは、様々な部署の協力が不可欠です。なぜなら、DX推進はIT部門だけで完結するものではなく、業務プロセスや顧客接点を持つ部署など、企業全体の取り組みとなるからです。関係部署との連携をスムーズに進めるためのポイントは以下の通りです。
- 共通理解の醸成: DX推進の目的やデザイン思考のアプローチについて、関係部署間で共通理解を醸成することが重要です。ワークショップや説明会などを開催し、各部署の役割や期待される成果を明確にしましょう。
- 情報共有の仕組みづくり: 各部署が持つ情報をスムーズに共有できる仕組みを構築しましょう。プロジェクト管理ツールやチャットツールなどを活用し、進捗状況や課題を可視化することで、迅速な意思決定と対応が可能になります。
- 定期的なコミュニケーション: 定期的なミーティングや情報交換の場を設けることで、各部署の状況を把握し、課題や改善点を共有しましょう。また、成功事例や失敗事例を共有することで、組織全体の学習効果を高めることができます。
- 役割分担の明確化: 各部署の役割と責任を明確に定義し、誰が何を担当するのかを明確にしましょう。責任の所在があいまいだと、プロジェクトの進捗が遅延したり、成果が出なかったりする可能性があります。
- 柔軟な対応: DX推進は変化の激しい状況の中で行われるため、計画通りに進まない場合も想定されます。状況に応じて柔軟に対応し、必要に応じて計画を見直すことも重要です。
これらのポイントを踏まえ、関係部署と積極的に連携することで、デザイン思考の効果を最大限に発揮し、DX推進を成功に導くことができます。
効果測定と継続的な改善
デザイン思考を活用してDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めるには、効果をしっかりと測り、改善を続けていくことが欠かせません。
まず、効果を測るためには、事前に設定した目標(KPI)をもとに、データを集めます。例えば、業務の効率化を目指している場合は、作業時間がどれだけ短縮されたかやミスの減少率などを数値で確認します。また、新しいサービスを始めた場合は、お客様の数や売上の増加が目標になります。さらに、お客様の満足度を高める場合には、アンケート結果やネットプロモータースコア(NPS)などを使って評価します。
こうしたデータは、プロジェクトの進み具合を把握したり、どこを改善すればいいかを見つけたりするのに役立ちます。また、関係する部署と情報を共有することで、プロジェクトの方向性を必要に応じて調整し、さらに効果的な取り組みを進めることができます。
次に、改善を続けていくためには、計画を立てて行動し、結果を振り返って次に活かす「PDCAサイクル」を繰り返すことが重要です。デザイン思考は一度で終わるものではなく、常に見直しながら進めていくことが大切です。例えば、お客様のアンケートで特定の機能に対する不満が見つかった場合、その部分を重点的に見直すためのワークショップを開く、といった方法があります。
このように、効果をしっかり測り、改善を続けていくことで、DXの成果をさらに大きなものにし、持続的な成長を実現することができます。
まとめ
この記事では、DX推進におけるデザイン思考の活用方法について解説しました。
DX推進を成功させるためには、デザイン思考の活用は非常に有効な手段となる一方で、気をつけてるべき点も多数あります。
本記事で紹介した内容を参考に、デザイン思考を取り入れ、顧客中心のDXを実現し、企業の成長につなげていきましょう。