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新規事業の企画書の書き方と必須12項目!社内承認を通すポイントを解説
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企画書の書き方に明確な正解はありませんが、社内の意思決定者(経営層)を動かす構造と視点を持った企画書には、共通したポイントがあります。
本記事では、新規事業の企画書に必要な項目と書き方を実務目線で解説します。承認されやすい構成の考え方から、よくある却下パターン、デジタル・プラットフォーム系の新規事業に特有の記載事項まで、幅広くカバーします。
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目次
新規事業の企画書とは?

新規事業の企画書とは、新しい事業を社内で立ち上げる際に、意思決定者に対して「何を・なぜ・どのように進めるか」を説明し、承認・予算確保・人員配置を引き出すための提案文書です。
企画書の主な読み手は経営層・役員・上位管理職であり、日々多くの提案を受け取っています。「読んでもらえる」だけでなく、「その場で判断できる」情報密度と構成が求められます。
企画書・提案書・事業計画書の違い
混同されやすい3つの文書を整理します。
| 文書名 | 主な目的 | 対象読者 | タイミング |
|---|---|---|---|
| 新規事業の企画書 | 社内承認を得る。事業アイデアの妥当性を示す | 経営層・上位管理職(社内) | 事業着手の前 |
| 提案書 | 外部への取引・協業の提案 | 取引先・パートナー(社外) | 商談・契約前 |
| 事業計画書 | 事業運営の具体的計画。資金調達にも使用 | 投資家・金融機関・社内 | 承認後〜実行フェーズ |
企画書は「承認を得るための入口」、事業計画書は「承認後の実行設計図」と位置づけると分かりやすいです。企画書の段階では網羅的な詳細よりも、意思決定に必要な判断材料を凝縮することが優先されます。
社内承認を通す企画書に共通する3つの視点

項目の解説に入る前に、承認される企画書が持つ共通の視点を理解しておくことが重要です。
視点① 意思決定者は「リスク」を最も気にする
経営層が企画書を読む際、最初に確認するのは「失敗したときの影響」です。いくら事業の魅力を訴えても、リスクの記載が甘い企画書は「詰めが甘い」と評価されます。市場リスク・競合リスク・実行リスクを正直に書き、それぞれの対策を示すことが信頼につながります。
視点② 定性的な熱量より定量的な根拠が刺さる
「この市場は伸びています」という表現よりも、「矢野経済研究所の調査によれば、○○市場は2023年度に○億円規模で、年率○%成長が見込まれています」という形で、数字と出典を明示した記述のほうが意思決定を後押しします。
視点③ 企画書は「ストーリー」で読まれる
個々の項目の質だけでなく、「なぜ今この事業が必要なのか」という文脈の一貫性が重要です。市場環境の変化→顧客の課題→自社が解決できる理由→事業モデル→収支見通し、という流れが自然につながっているかを確認しましょう。
項目の解説に入る前に、承認される企画書が持つ共通の視点を理解しておくことが重要です。
新規事業の企画書:必須12項目と書き方
項目1:エグゼクティブサマリー(最重要)
企画書の冒頭に1ページ以内で事業の全体像をまとめたサマリーを置きます。意思決定者はここだけを読んで判断することも多いため、最初に作成するのではなく、全体が完成したあとに書くのが実務上のコツです。
| 項目 |
| 事業名と一言コンセプト |
| 解決する課題と対象顧客 |
| 市場規模(出典付き) |
| 収益モデルと初期投資額の概算 |
| 期待する成果(KPI) |
項目2:事業理念・ミッション
「なぜこの事業をやるのか」という根拠を示します。自社のミッション・バリューとの整合性を示すことで、経営層が「自社がやる必然性」を納得しやすくなります。単なる市場機会の説明に終わらず、社会的意義やビジョンとの接続が伝わる内容にしましょう。
項目3:市場規模・業界動向
事業が参入する市場の「TAM(全体市場)→SAM(対応可能市場)→SOM(獲得目標市場)」の3段階で整理するのが有効です。
- TAM(Total Addressable Market):市場全体の規模
- SAM(Serviceable Available Market):自社が対応できる市場
- SOM(Serviceable Obtainable Market):現実的に獲得を目指す規模
必ず経済産業省、総務省、矢野経済研究所、IDCなど信頼できる一次情報源を出典として明記することで、数値の信頼性が格段に高まります。
項目4:顧客課題とターゲット定義
「誰の、どんな課題を解決するのか」を具体化します。ペルソナを1〜2名設定し、現在その課題がどのように(不完全な形で)解決されているかを示すと、事業の必要性が伝わりやすくなります。
例: 地方の中小企業経営者(50代・製造業)は、後継者探しをハローワークや知人紹介に頼っているが、マッチング精度が低く時間もかかる。専門的なM&Aアドバイザーへの依頼は費用が高く現実的でない。
項目5:提供価値(Value Proposition)
顧客が「なぜこのサービスを選ぶのか」を一言で言い切ります。競合サービスと比較して何が違い、なぜ優れているかを明確にします。「機能の羅列」ではなく「顧客が得る便益」の言語化が重要です。
項目6:競合分析
既存の競合サービス・代替手段を洗い出し、自社との差異をマッピングします。競合を小さく見せようとすると、かえって「市場調査が甘い」と評価されます。競合の強みを正直に認めたうえで、自社の優位性が成立する理由を論理的に説明するのが誠実な競合分析です。
項目7:ビジネスモデル・収益構造
「どのように収益を得るか」を明確にします。主なビジネスモデルの形態と特徴を整理すると以下の通りです。
| モデル | 特徴 | 向いている事業例 |
|---|---|---|
| サブスクリプション | 継続課金。LTVが予測しやすい | SaaS、会員制サービス |
| 手数料(マッチング) | 取引成立時に収益化。初期障壁が低い | マッチングプラットフォーム、フリマ |
| 広告収益 | ユーザー規模が必要。初期収益化は遅い | メディア、情報プラットフォーム |
| フリーミアム | 無料で集客し有料転換 | アプリ、ツール系 |
| ライセンス/BtoB販売 | 企業向け一括販売。単価が高い | 業務システム、コンサルティング |
項目8:事業推進体制・チーム
誰がこの事業を動かすのかを示します。特に「この課題に対応できる専門知識・経験を持つ人材がいるか」が問われます。社内リソースが不足している場合は、外部パートナーの活用計画も明記します。
項目9:マーケティング・顧客獲得戦略
どのように最初の顧客を獲得し、スケールさせるかを示します。「SNSで広める」「SEOを頑張る」といった抽象的な記述は避け、初期顧客獲得のチャネル・CAC(顧客獲得コスト)の目安・グロースの仮説をできる限り具体化します。
項目10:実行ロードマップ
事業開始から12〜24ヶ月の行動計画をフェーズ分けして示します。マイルストーン(例:「3ヶ月でβ版ローンチ」「6ヶ月で有料会員100名獲得」)を設定することで、承認者が「いつ何が起きるか」をイメージしやすくなります。
項目11:収支計画・KPI
悲観・標準・楽観の3シナリオで収支を試算します。数字は根拠ある仮定をもとに算出し、仮定の前提条件を明示することが誠実な財務計画の基本です。
| 項目 |
| 初期投資額(開発費・人件費・広告費等) |
| 月次ランニングコスト |
| 売上予測(シナリオ別) |
| 黒字化見込み時期 |
| 主要KPI(DAU・MRR・チャーン率等) |
項目12:リスクと対策
想定されるリスクを「市場リスク」「競合リスク」「技術リスク」「法規制リスク」「実行リスク」に分類し、それぞれの対策を記載します。リスクを正直に記述することは、企画書の信頼性を高める重要な要素です。
企画書が却下される5つの典型パターン
競合記事があまりカバーしていない視点として、「なぜ却下されるか」を知ることが企画書の質を上げる近道です。
パターン① 「なぜ今か」の説明がない
市場が伸びているだけでは不十分です。「なぜ今この瞬間に参入することが重要か」という時間的な必然性(競合の動向・規制変化・技術の成熟度など)を示せていない企画書は後回しにされやすい。
パターン② 数字に根拠がない
「3年後に売上10億円」と書いてあっても、その数値の根拠が不明な企画書は信頼されません。KPIと収支計画の仮定を全て明示することが必要です。
パターン③ 競合を軽視している
「競合はいない」「競合はやっていない」という記述は、市場調査の甘さを露呈します。競合が存在しない市場は「需要がない市場」と判断されるリスクもあります。
パターン④ 誰がやるかが曖昧
事業アイデアは面白いが、推進できる人材・体制が書かれていない企画書は「絵に描いた餅」と見なされます。
パターン⑤ 企画書が長すぎる・読みにくい
経営層が企画書を読む時間は限られています。30〜50ページを超えると精読されなくなる傾向があります。まずA4で5〜10枚のサマリー版を作り、詳細を別添資料にする構成が実務では有効です。
デジタル・プラットフォーム型の新規事業に特有の記載事項
近年、新規事業としてマッチングプラットフォームやECサイト、SaaS型サービスを立ち上げるケースが増えています。こうしたデジタル事業の企画書には、従来の事業計画にはない視点が求められます。
「鶏と卵問題」への対策
マッチングプラットフォームやC2Cサービスでは、供給側と需要側の両方を同時に獲得しなければ価値が生まれません。この「鶏と卵問題」をどのように解決するかを企画書に明記します。
対策の例:まずは供給側(サービス提供者)を先行して獲得し、無料期間や補助金を活用しながらプラットフォームに人を集める。その後に需要側(利用者)の集客を開始する段階的アプローチ。
初期開発費と「スモールスタート」の設計
デジタルサービスの初期開発費は事業規模によって数百万円〜数千万円以上まで幅があります。企画書の段階では「フルスクラッチで作るか」「既存パッケージを活用するか」を明示し、初期投資を抑えながら仮説検証できるMVP(最小viable product)の設計を示すことが説得力につながります。
実際に、新規事業としてデジタルプラットフォームを立ち上げた事例として、特定非営利活動法人フローレンスが展開する「こども冒険バンク」があります。企業が提供する体験コンテンツと子どもたちの体験機会をつなぐマッチングプラットフォームで、地域課題の解決を新規事業として実現した事例です(事例詳細はこちら)。
法規制・ガイドラインの確認
プラットフォーム型ビジネスは、金融(資金決済法)・医療・人材紹介など業種によって特有の規制が存在します。経済産業省や金融庁等の公的機関のガイドラインを事前に確認し、企画書内でコンプライアンス上の対応方針を明記することが重要です。
なお、新規事業の立ち上げに際しては、IT導入補助金やものづくり補助金など国の支援制度を活用できる場合があります。活用できる補助金の種類や条件については、【2026年】補助金で新規事業を始める!種類・申請手順・採択のポイントを徹底解説!で詳しく解説しています。
企画書の作成手順:5ステップ
- 課題・ターゲットの仮説設定
解決したい課題と対象顧客を先に決める。企画書はこの仮説を証明する構造で組み立てる - 市場調査・競合調査
公的統計や業界レポートでデータを収集。競合サービスの機能・料金・ユーザー評判を整理する - ビジネスモデル・収支の試算
顧客単価・獲得コスト・主要費用を仮定し、黒字化ラインを試算する - 企画書の骨子作成
本記事の12項目を軸に構成を確定し、1〜2ページのサマリーを先に作る - フィードバックの反映
意思決定者の手前にいる中間管理職や関係部門に事前共有し、想定質問・反論を潰してから正式提出する
新規事業の企画書に関するよくある質問
Q. 新規事業の企画書はどのくらいのページ数が適切ですか?
A. 経営層向けのサマリー版は5〜10ページが目安です。詳細データは別添資料にまとめ、本体は「読んで即判断できる」情報量に絞ります。スライド形式(PowerPoint等)が主流ですが、社内の慣習に合わせて選択してください。
Q. 企画書と事業計画書は同時に作る必要がありますか?
A. 必ずしも同時作成は不要です。企画書で社内承認を得てから、事業計画書(詳細な財務計画・実行計画)を作成するのが一般的な順序です。承認前に事業計画書レベルの詳細を求められる場合は、企業文化・事業規模に依存します。
Q. 新規事業の企画書に使えるテンプレートはありますか?
A. 経済産業省のJスタートアップ支援ページや、中小企業庁のミラサポplusでは事業計画書のひな型が無料で公開されています。また、Asana・Notion等のプロジェクト管理ツールも企画書テンプレートを提供しています。ただし、テンプレートはあくまで「枠」であり、意思決定者を動かす中身の質こそが承認率を左右します。
Q. 企画書を作るのにどのくらい時間がかかりますか?
A. 市場調査を含めると2〜4週間が現実的な目安です。初版は2〜5日で作り、フィードバックを受けながら精度を高めていくアプローチが実務では一般的です。最初から完璧を目指して時間をかけすぎるよりも、早期に共有してフィードバックを得るほうが承認に近づきやすい傾向があります。
Q. 企画書に盛り込む市場規模データはどこから取得すればよいですか?
A. 信頼性の高い順に以下を活用することを推奨します。
①総務省・経済産業省等の公的機関の統計
②矢野経済研究所・IDC・Gartnerなど業界調査機関の公開レポート
③業界団体の発行資料。ブログやまとめサイトの数値をそのまま引用することは避け、必ず一次情報源を確認してください。
新規事業の企画書は「意思決定者の問いに答える文書」
新規事業の企画書に求められるのは、華やかなビジョンの語りではなく、「この事業はやるべきか」「今やるべきか」「自社でやれるか」という意思決定者の問いに、データと論理で答える構造です。
デジタルプラットフォーム型の新規事業を検討されている場合、開発パートナーの選定や要件整理の段階から相談できる環境があると、企画書の精度もさらに高まります。カスタメディアでは、800サイト以上のプラットフォーム構築実績をもとに、構築から伴奏まで一トータルでサポートをします!
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