導入実績

東京廃棄物事業協同組合 / 東京廃棄物コネクト
「情報の壁」を壊す。組合発マッチングサービス誕生の裏側
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| 会社名 | 東京廃棄物事業協同組合 |
| 本社所在地 | 〒169-0075 東京都新宿区高田馬場1-28-10 三慶ビル5F |
| 業種 | 事業協同組合(廃棄物処理業界) |
| 事業内容 | 東京23区内の事業系一般廃棄物処理の許可業者が加盟する事業協同組合 廃棄物の適正処理の推進、行政・排出事業者・許可業者の橋渡し、マニフェスト共同購買事業などを実施 |
| 企業HP | https://www.touhaikyo.or.jp/ |
日々、膨大な量の廃棄物が排出される大都市・東京。街がいつでも清潔で安全に保たれている背景には、行政の定めたルールに基づき、現場で廃棄物を収集・運搬・処理する「許可業者」の存在があります。
しかし現在、業界を取り巻く環境は極めて深刻です。「2024年問題」に端を発する働き方改革への対応、燃料費や車両費の高騰、そして深刻な人手不足。社会の安心・安全を支える重要インフラでありながら、個々の事業者が直面する経営課題は増すばかりです。
こうした危機感のなか、業界の「橋渡し役」である東京廃棄物事業協同組合(東廃協)が立ち上がりました。現場の痛みをDXで解決し、排出事業者と許可業者を正しくつなぐための挑戦——それが「東京廃棄物コネクト」です。

なぜ伝統ある業界団体が、自らDXに挑んだのか。そこにあった葛藤と、伴走パートナーとの泥臭い開発の舞台裏に迫ります。
目次
社会を支える誇りと、現場を襲う「情報の壁」
現場で積み重なる「お断り」の葛藤
「私が大切にしているのは、廃棄物処理を単なる回収業務ではなく、都市を支える社会インフラとして捉えることです。廃棄物処理は、安ければよい、早ければよいというものではありません」
東京廃棄物事業協同組合で専務理事を務め、本プロジェクトを牽引した利根川様はこう語ります。自らも現場と経営を知る一人として、長年抱え続けてきたのは、排出事業者と許可業者の間にある「情報の壁」でした。
実際に、利根川様のもとにも毎月多くの排出事業者から問い合わせが届きます。しかし、廃棄物処理は収集ルート、対応エリア、品目、排出量、回収条件などによって対応可否が大きく変わるため、条件が合わなければお断りするほかありません。自社で受けられない案件でも、他の許可業者なら対応できるかもしれない。そうした案件を適切な事業者につなぐことができれば、双方に価値が生まれる——しかし、その受け皿となる仕組みが十分にありませんでした。
行政・排出事業者・許可業者の溝を埋める役割を持つ東廃協にも問い合わせは届いていたものの、対応できる組合員への紹介は属人的にならざるを得ず、多くの機会損失が生まれていました。
組合の存在意義を問う「時代の波」
危機感はそれだけではありませんでした。組合員の脱退や事業環境の変化により、東廃協自体の収支も年々厳しさを増していたのです。
「これまで通りの活動だけでは、組合の存在価値を十分に示し続けることが難しくなっているという危機感がありました」
単なる組合の収益源づくりではなく、組合員にとって実際に役立ち、排出事業者にとっても相談しやすい、適正処理を支える新しい仕組みをつくる。業界の未来を担う若手世代が率先して挑戦するという意味も込めて、東廃協の挑戦が始まりました。
単なる開発者ではなく、事業を共に創る「伴走パートナー」を求めて
新規事業のプラットフォーム構築にあたり、利根川様が最も重視したのは「システムをただ作る力」ではありませんでした。
廃棄物処理は法令や許可が深く関わる分野であり、一般的なマッチングサイトの考え方をそのまま当てはめるだけでは成立しません。組合事業としての公共性と、業界特有のルールを理解したうえで、泥臭い運用まで一緒に考えてくれるパートナーが必要。
そうして選ばれたのが、カスタメディアでした。
「カスタメディア様は、マッチングサイト構築の実績があり、サービスの立ち上げ段階から具体的な運用を見据えた提案をいただけました。こちらの要望をそのままシステム化するだけではなく、『実際に使われる仕組みにするにはどうすべきか』という視点で一緒に考えていただけたことが、最終的な決め手です」
事業の成功に向けて同じ目線で考える姿勢が、利根川様の決意と共鳴しました。
現場のリアルをシステムへ。開発で直面した壁
業界の慣習を、どこまでルール化できるか
しかし、実際の開発プロセスは平坦な道ではありませんでした。最大の壁となったのは、業界の慣習や現場の判断を、いかにシステム上のルールへ落とし込むかという点です。
エリア、品目、回収条件、排出量、建物条件、許可の範囲……。現場のプロが長年の経験で行ってきた判断を、排出事業者にも分かりやすく、かつ許可業者にとっても無理のない形として再構築する必要があります。排出事業者の入力項目はどうあるべきか、案件の掲載や組合員の承認フローはどう回すか。ひとつひとつについて、何度も議論を重ねました。
「一般的なマッチングサイトの考え方をそのまま当てはめるのではなく、許可業者、排出事業者、組合それぞれの立場を踏まえながら、実務に合う形を一緒に検討していただけました。開発会社というより、事業を一緒につくるパートナーとして伴走していただいた印象です」
「誰かが前に出なければ」——組合ならではの合意形成
もう一つの苦労は、「組合」という組織特有の難しさにありました。加盟する各社は立場も課題感も異なり、方向性を一つにまとめることは容易ではありません。さらに本事業は補助金を活用していたため、申請・採択・開発・報告と、さまざまな締め切りに追われます。本業を抱えながらのプロジェクト推進は、精神的にも時間的にも大きな負担を伴いました。
「組合事業では、全員の合意形成を大切にしながらも、誰かが前に出て形にしていかなければ、なかなか物事が進みません」
それでも、完璧な合意や準備を待つのではなく、まず小さく形にして、そこから改善していく。利根川様の推進力とカスタメディアの伴走が噛み合い、ついに「東京廃棄物コネクト」が産声を上げたのです。
町名レベルのマッチング精度と、プラットフォームが拓く未来
「東京廃棄物コネクト」を支える3つの特徴
こうして誕生した「東京廃棄物コネクト」には、業界のリアルを反映した3つの特徴があります。
1.専門知識がなくても迷わない「相談の入口」

複雑な法令や許可が関わる分野でも、専門知識のない排出事業者が直感的な操作だけで、スムーズに最適な業者とマッチングできる設計を目指しました。さらに、袋の大きさや回収回数を入力するだけで、事前に月額費用の目安がその場でわかる「回収価格シミュレーター」(下図)も搭載し、発注前の不安を解消します。

2.個人を特定されずに安心して何度も相談可能
排出事業者は、希望のエリアを選択するだけで、適切な相談先に迷わずたどり着くことができます。その奥では、組合員(許可業者)が自社の許可エリア・許可品目に加え、各区の「町名レベル」まで細分化された対応ルートを登録。条件に合致する案件だけが自動で通知されるため、組合員側も自社の収集効率に合った案件を効率よく確認できます。

3.東廃協の組合員ネットワークが支える「信頼性」
単なる民間マッチングサービスではなく、東京23区を対象に、 適正処理を第一に掲げる東廃協が関与することで、排出事業者が安心して相談できるサービスを目指しています。
期待以上の反響と、組合内に芽生えた新しい風
サービスを公開すると、反響は当初の想定以上でした。これまで組合活動への参加率が高くなかった組合員からも、「この仕組みを活用したい」「今後の営業活動にも役立ちそうだ」といった前向きな声が届くようになったのです。説明会への参加や問い合わせを通じて、組合内に新しい動きが生まれています。
「東京廃棄物コネクトを形にできたことは、東廃協にとって大きな一歩だと感じています」
利根川様が描く未来は、さらにその先にあります。排出事業者が廃棄物処理で困ったときに、まず東京廃棄物コネクトを思い浮かべる——東京の事業系廃棄物処理を支えるプラットフォームへ。東廃協の歴史とネットワークにDXという新しい力を掛け合わせ、東京から業界の新しいモデルを発信していくことが、目指す未来です。
関連リンク
- 東京廃棄物事業協同組合 公式サイト: https://www.touhaikyo.or.jp/
- 東京廃棄物コネクト(東廃協サイト内紹介ページ): https://www.touhaikyo.or.jp/20260608151548
- 東京廃棄物コネクト サービスサイト: https://tokyo23-waste-connect.jp/
