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リカレント教育とリスキリングの違いとは?目的・主体・場所を比較表で徹底解説
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「リカレント教育もリスキリングも、社員に”学び直し”させることでしょう?」——人事担当者や経営層からよく聞かれる疑問です。しかし2つは目的・学ぶ主体・学ぶ場所が根本的に異なります。
混同したまま施策を設計すると、予算と時間をかけた人材育成が事業戦略とズレてしまうリスクがあります。本記事では経済産業省・文部科学省の公式定義をもとに両者の違いを比較表で整理し、アップスキリングとの違い・注目される背景・企業が使える補助金制度まで実践的に解説します。
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目次
リカレント教育とは何か

リカレント教育(Recurrent Education)とは、社会に出た後も必要なタイミングで学び直し、仕事と学習を繰り返すことです。「リカレント(recurrent)」は英語で「繰り返す・循環する」を意味します。
内閣府政府広報オンライン「学び」に遅すぎはない!によれば、「リカレント教育とは、学校教育からいったん離れて社会に出た後も、それぞれの人の必要なタイミングで再び教育を受け、仕事と教育を繰り返すこと」と説明されています。
1970年にOECD(経済協力開発機構)が公式に採用し、1973年の報告書「リカレント教育 ―生涯学習のための戦略―」によって国際的に広まりました。
文部科学省の定義
文部科学省の「学び直しについて」では、リカレント教育の推進として「誰もがいくつになっても学び直し、活躍することができる社会の実現」を目指すとしています。
また、文部科学省が所管するポータルサイトマナパスでは、リカレント教育を「社会に出た後も自身の仕事に必要な学びや時代のニーズに即した能力・スキルを得ること、さらに職業とは直接結びつかない技術や教養等を身に付けること」と説明しています。
重要なポイント: リカレント教育は「職業に直結しない学び」も含む広義の学び直し概念です。趣味・教養・市民教育なども対象になります。
リカレント教育の特徴
| 項目 | 内容 |
| 対象者 | 社会人全般(個人が主体) |
| 学ぶ場所 | 大学・大学院・専門学校などの教育機関が中心 |
| 期間 | 数ヶ月〜数年の中長期的な学習 |
| 目的 | キャリアアップ・キャリアチェンジ・自己啓発・教養形成など幅広い |
| 費用負担 | 個人または企業(教育訓練給付制度の活用が可能) |
リスキリングとは何か
リスキリング(Reskilling)とは、新しい業務や職種に対応するために必要なスキルを習得することです。
経済産業省は、リスキリングについて「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」と定義しています。
リスキリングの特徴
| 項目 | 内容 |
| 対象者 | 在職中の従業員(企業が主体となって実施するケースが多い) |
| 学ぶ場所 | 社内研修・オンライン学習・外部講座など職場と連動した環境 |
| 期間 | 数週間〜数ヶ月の短〜中期的な学習が主流 |
| 目的 | DX推進・事業転換・新職務への対応など企業の経営戦略と直結 |
| 費用負担 | 主に企業が負担(国の助成金・補助金制度の活用も可) |
【比較表】リカレント教育とリスキリングの違い
2つの概念を5つの軸で整理します。
| 比較項目 | リカレント教育 | リスキリング |
|---|---|---|
| 目的 | キャリアアップ・転換・自己啓発・教養形成(広義) | 事業戦略に必要な新スキルの獲得(DX対応・職種転換等) |
| 学ぶ主体 | 個人が主体 | 企業が主体となり従業員に実施するケースが多い |
| 学ぶ場所 | 大学・大学院・専門学校などの教育機関 | 社内研修・eラーニング・外部講座(職場と連動) |
| 対象スキル | 職業関連スキルから教養・趣味まで幅広い | 現在または将来の職業に直結するスキルに限定 |
| 期間 | 中〜長期(数ヶ月〜数年) | 短〜中期(数週間〜数ヶ月が主流) |
| 費用負担 | 個人(給付金制度の活用可) | 主に企業(助成金・補助金の活用可) |
| 所管省庁 | 文部科学省 | 経済産業省・厚生労働省 |
一言でまとめると: リカレント教育は「個人が仕事と学習を循環させる生涯学習」、リスキリングは「企業が事業戦略に合わせて従業員のスキルを再構築する取り組み」です。
アップスキリングとの違い
リスキリング・リカレント教育と並んでよく登場する「アップスキリング(Upskilling)」との違いも確認しておきましょう。
| 比較項目 | リスキリング | アップスキリング | リカレント教育 |
|---|---|---|---|
| スキルの方向性 | 現職と異なる新しい職種・分野へ | 現職の延長線上でスキルを深める・強化する | 職業関連から教養まで幅広い |
| 目的 | 職種転換・新職務への対応 | 昇進・専門性向上・業務効率化 | 生涯を通じた学び直し全般 |
| 典型例 | 営業職がデータ分析を学ぶ | エンジニアがより高度な技術を習得する | 社会人が大学院でMBAを取得する |
3つを使い分けるポイントは「スキルをどこに向けるか」です。
- 現職をより深める → アップスキリング
- 現職から別の職種・分野へ転換する → リスキリング
- 職種を問わず幅広く学ぶ → リカレント教育
なぜ今、リスキリングとリカレント教育が注目されるのか
DX推進と労働市場の構造変化
経済産業省の資料によれば、デジタル技術の進展によって多くの業務プロセスが変わり、これまで存在しなかった職種が生まれています。2020年のダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)では「2030年までに全世界で10億人をリスキリングする」目標が宣言され、国際的に注目が集まりました。
国内でも、情報処理推進機構(IPA)が公表した「DX白書2023」では、DXを推進する人材の量・質について、国内調査対象企業の83.5%が「量が不足」、86.1%が「質が不足」と回答しており、デジタル人材不足が深刻な課題になっています。
人口減少・少子高齢化の影響
文部科学省の推進資料によれば、2040年には生産年齢人口が約5,978万人まで減少する見通しです。限られた人材を最大限に活用するために、既存の従業員に新しいスキルを習得させるリスキリングと、社会人が自らキャリアを拡張するリカレント教育の両輪が不可欠になっています。
リスキリングが「掛け声倒れ」になる3つの理由
多くの記事がリスキリングのメリットを解説しますが、「やろうとしたが定着しなかった」という企業側の失敗はあまり語られません。リスキリングが機能しない典型パターンを整理します。
失敗パターン①:経営戦略との連動がない
「とりあえずDXだからPythonを教える」という形で、なぜそのスキルが必要なのかが従業員に伝わっていないケースが多く見られます。リスキリングは「経営戦略 → 必要なスキル定義 → 学習」という順番でなければ意味を持ちません。
対策: 経営計画と連動した「スキルマップ」の作成から始める。現状と目標のギャップを可視化してから学習テーマを決める。
失敗パターン②:学習時間が業務に侵食される
リスキリングは「働きながら学ぶ」が前提ですが、日常業務が優先されて学習時間が確保できないケースが多発します。厚生労働省の調査でも、社会人が学び直しを行えない理由の上位に「仕事が忙しい」が常に挙がっています。
対策: 学習を「業務の一部」として位置づけ、週単位で学習時間を業務スケジュールに明示的に組み込む。
失敗パターン③:学習後の「使い場所」がない
スキルを習得しても、現職の業務でそのスキルを使う機会がなければ定着しません。学習と実践の間にギャップがある場合、モチベーションが失われ、スキルも忘れます。
対策: リスキリングの開始と並行して、「習得後に担当する業務・プロジェクト」をあらかじめ設計する。スキルの使い道を先に見せる。
企業・個人が活用できる補助金・助成金制度

【企業向け】人材開発支援助成金(厚生労働省)
従業員の職業訓練・スキルアップに要する費用の一部を助成する制度です。訓練の種類によって助成率が異なります。
【関連記事】【2026最新】リスキリング助成金ガイド|条件や申請フロー、活用法を紹介
【企業向け】リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業(経済産業省)
経済産業省が認定した事業者を通じて、キャリア相談・リスキリング講座受講・転職支援を一貫して受けられる制度。リスキリング講座については、受講料(税別)の最大70%(上限56万円)の給付を受けられます。
【個人向け】 教育訓練給付制度(厚生労働省)
働く人の主体的なスキルアップを支援する制度です。対象講座の受講費用の20%〜70%が支給されます(講座の種別により異なる)。
【個人向け】 文部科学省の社会人向けリカレント教育支援
文部科学省は、大学・専門学校等でのプログラム開発・支援や、就職・転職支援のための大学リカレント教育推進事業を展開しています。
リカレント・リスキリング教育に関するよくある質問
Q. Q. リカレント教育とリスキリングはどちらを優先すべきですか?
企業の場合はリスキリングを優先し、個人のキャリア形成にはリカレント教育を検討するのが基本です。 企業がDX推進や新事業展開を目的とする場合、経営戦略に直結するリスキリングの方が投資対効果を測定しやすく、実績も積まれています。一方、個人がキャリアチェンジや長期的なスキルアップを目指す場合は、リカレント教育の枠組みで大学院や資格講座を活用する方が選択肢が広がります。
Q. リスキリングは大企業にしかできませんか?
いいえ、中小企業こそリスキリングに取り組む意義があります。 人材育成に充てられるリソースが限られる中小企業では、既存の従業員に新しいスキルを身につけさせることが、外部採用より費用対効果が高いケースも多くあります。また、人材開発支援助成金など中小企業向けに助成率が高く設定されている制度も存在します。」にせず、事業に直結する「アウトプットの時間」に変える設計が求められます。
Q. リカレント教育とリスキリングは同時に進められますか?
目的が異なるため、同時並行で設計することは可能です。 たとえば企業が全社的なDX対応としてリスキリングを進めながら、従業員が個人の関心でMBA取得(リカレント教育)に取り組む、というケースは両立します。ただし学習時間・コストが重複する場合は優先度を整理する必要があります。
Q. リスキリングとリカレント教育の違いを一言で説明するには?
「リスキリングは企業主導で行う戦略的スキル転換、リカレント教育は個人が仕事と学習を繰り返す生涯学習」です。 リスキリングはDXや事業転換など企業の経営目的に紐づき、リカレント教育はより広く個人のキャリアや教養形成を含む概念です。
Q. アップスキリングとリスキリングの違いは何ですか?
アップスキリングは「現職をより深める」、リスキリングは「現職から異なる職種・分野へ転換する」です。 エンジニアがより高度な技術を習得するのがアップスキリング、営業職がデータ分析スキルを身につけて職種転換を図るのがリスキリングです。
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リカレント教育とリスキリングは、どちらも「社会人の学び直し」を指しますが、目的・主体・学ぶ場所が大きく異なります。
人手不足とDX加速が続く中、「採用して補う」から「育てて対応する」へのシフトは、規模を問わず経営課題になっています。大切なのは、学ぶ目的と学ぶ先をセットで設計することです。「何のために、誰が、どこで学ぶのか」を整理しないまま予算を投じても、定着しない学習で終わってしまいます。
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